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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
全てが私だけに向けられていてるのは明らかで……
愛されていると実感する。求められていると嬉しくなる。
私の気持ちは拓真さん一色に染め上げられて。

もっと一緒にいたい。ずっと囚われていたい。

じわりと目頭が熱くなった。
「……うん」
ゆっくり頷いた私を見詰める千佳ちゃんの瞳は優しい。
背中から回された手に頭を引き寄せられていた。千佳ちゃんの肩に寄り添い、その手に頭を撫でられる。
「いっぱい拓真に愛してもらいなね」
少し低めの柔らかなアルト。
「……ん」
「あぁ、それなら大丈夫。でしょう?」
少しからかうような問い掛けに思わず振り仰いだ桐生さんは、でも穏やかな笑みで私を見てくれていて
「あっちも、大丈夫ですよ」
少しだけ拓真さんと壮ちゃんたちの方へ視線を流し、頷いてくれた。
「ですね。壮助さんを説得できないとアウトだし」
ちょっと意地悪な千佳ちゃんの言葉。でも、その瞳は優しく笑っていて。
二人が拓真さんに信頼を寄せているのが伝わってくる。
色んな事が嬉しくて、目の前が滲む。
「ありがとうございます」
お礼を伝える声が震えてしまった。
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