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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
駅の反対側とはいえ、みゆきがまだあの近辺にいる危険性は拭い切れない。念のためタクシーで来るように伝えて通話を切った。
佐伯さんにお礼を伝え、夜の準備に取り掛かる。
直前に火を通した方が美味いものを除き、可能な限り作りおいて。真純が来た後はなるべくなら厨房に戻りたくない。地元から彼女を呼んだと話していた金場も考えはきっと同じ。必要最低限の会話で互いの状況を確認しながら調理を進める。その作業も終わろうとした頃
「タク、一段落付いたら話したいことがあります」
桐生さんに声を掛けられた。
疑問を抱きつつ調理を終わらせ、ホール内の準備をしていた桐生さんに声を掛けた。
バックヤードへ促され、話されたのは真純の兄と姉をこの仕事納めに呼んでいる、という事だった。
「河合さんの家庭状況については、聞いてますか?」
そう聞いてくる桐生さんの表情が硬い。
「ご両親の件でしたら……」
応えた俺に小さく頷き、言葉を続ける。
「成人するまでお世話になっていた養父母もいらっしゃるのですが、直接的な保護者は壮先輩です。僻地医療に携わっていて、滅多に戻って来ないので。お節介とは思ったのですが……」
佐伯さんにお礼を伝え、夜の準備に取り掛かる。
直前に火を通した方が美味いものを除き、可能な限り作りおいて。真純が来た後はなるべくなら厨房に戻りたくない。地元から彼女を呼んだと話していた金場も考えはきっと同じ。必要最低限の会話で互いの状況を確認しながら調理を進める。その作業も終わろうとした頃
「タク、一段落付いたら話したいことがあります」
桐生さんに声を掛けられた。
疑問を抱きつつ調理を終わらせ、ホール内の準備をしていた桐生さんに声を掛けた。
バックヤードへ促され、話されたのは真純の兄と姉をこの仕事納めに呼んでいる、という事だった。
「河合さんの家庭状況については、聞いてますか?」
そう聞いてくる桐生さんの表情が硬い。
「ご両親の件でしたら……」
応えた俺に小さく頷き、言葉を続ける。
「成人するまでお世話になっていた養父母もいらっしゃるのですが、直接的な保護者は壮先輩です。僻地医療に携わっていて、滅多に戻って来ないので。お節介とは思ったのですが……」