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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
徐々に人が集まってきて、誰が乾杯の音頭を取るわけでもなくゆるゆると始まった仕事納め。
ほどなくやってきた真純。来て早々シンシアに抱きつかれているのを見てむっとする。
千佳と違ってアイツのハグは親愛だけじゃない。

お前はもう佐伯さんと結婚してんだろ?
俺の真純に触んな!
おい、おっさん!何を呑気に笑って見てんだよ!

すぐに桐生さんがシンシアを引き剥がすのが目に入った。
でも黙って看過することは出来なくて。金場に断って厨房を出た。
桐生さんの背にすっぽり匿われてる真純は本当に小さい。きっと目の前背中以外、何も見えてないに違いない。
桐生さんの肩越しにシンシアと目が合って、ガッツリ睨まれた。

コイツ……

余計な事を言いそうな予感。
桐生さんの後ろ頭を見上げている真純の背後に立ち、その華奢な身体を包み込むようにして抱き寄せた。
「ひやん!」
予想通りの反応に口角が上がる。
「いらっしゃい」
耳元で囁くと真純の肩がビクンと大きく震える。一瞬ふわりと鼻腔に届いた甘い香り。
「たっ拓真さん」
もっと深く味わいたくて、柔らかな髪に口元を埋めた。
「待ってた」
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