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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
ホント、ガキくさい。そう思いつつも
「ここに入れて持ち歩きたい」
真純の頭を左胸に押し当てて、片時も離したくない本音がこぼれた。隣で桐生さんが吹き出した。
「確かに、それが一番安全ですね」
珍しく声を立てて笑ってる。
「……笑い事じゃない」
楽しそうな桐生さんにため息が吐いて出る。
「紹介、されてただけですよ」
笑いを収めて桐生さんが教えてくれたのは
「『タクの未来の嫁さん』だって」
「……は?」

真純が俺の嫁になることの何がシンシアに響いたんだ?

疑問に思っていると、さらに続いた桐生さんの言葉。
「あぁ、分かりました。河合さん恥ずかしそうに『祈ってて下さい』って返したんです」

真純……
何、可愛い事言ってくれてんの。

嬉しくてニヤケそうになるのを気合で耐える。
「恐らくは、ソレでしょう」
「……だな」
柔かく微笑む桐生さんに頷いて返した。
そういう健気な感じはシンシアの好みに合致する。
納得しながら、腕の中に感じた違和感。

震えてる?

コックコートの裾を握られて、何かが真純を不安にさせたと確信する。
顔を覗き込もうとして、逆に額を胸に押し付けられた。それは不安を押し隠そうとしているように見えて。
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