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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
早くに両親を亡くし、恐らく親戚の家をたらい回しにされた……それ以上にまだ何かあるのか?
眉を寄せそうになって気持ちを目の前に引き戻した。
「で、今日は千佳の家に泊まるのか?」
静かに投げ掛けられていた質問。
「う、うん」
頷いた真純がスカートの裾を握った。嘘を吐かせている事も心苦しいが、それよりも唯一の身内なのにも拘わらず兄姉に嘘を吐いてしまう関係だという事が切ない。あの事件に真純が躊躇したとしても、だ。辛すぎる。
きつく握られたその手を左手でそっと包んだ。冷たい指先が真純の緊張を表しているようで。胸の奥が軋む。
実の兄姉、だろうに……
少しして緩んだ拳。ゆっくり手のひら側に手を回し、指を絡めるように繋ぎ直した。
やがて話は俺に及び
「いつから真純とお付き合いをしてるんでしょうか?」
ハルカと名乗った姉に問い掛けられた。
「二ヶ月位前からです」
応えた俺にハルカさんの表情が曇る。
「では真純が会社で倒れたのはご存知ですね?」
それは詰問。知らされてなかったのか、ソウスケさんが眉をひそめた。
「はい」
「何故倒れたのかは、ご存知ですか?」
眉を寄せそうになって気持ちを目の前に引き戻した。
「で、今日は千佳の家に泊まるのか?」
静かに投げ掛けられていた質問。
「う、うん」
頷いた真純がスカートの裾を握った。嘘を吐かせている事も心苦しいが、それよりも唯一の身内なのにも拘わらず兄姉に嘘を吐いてしまう関係だという事が切ない。あの事件に真純が躊躇したとしても、だ。辛すぎる。
きつく握られたその手を左手でそっと包んだ。冷たい指先が真純の緊張を表しているようで。胸の奥が軋む。
実の兄姉、だろうに……
少しして緩んだ拳。ゆっくり手のひら側に手を回し、指を絡めるように繋ぎ直した。
やがて話は俺に及び
「いつから真純とお付き合いをしてるんでしょうか?」
ハルカと名乗った姉に問い掛けられた。
「二ヶ月位前からです」
応えた俺にハルカさんの表情が曇る。
「では真純が会社で倒れたのはご存知ですね?」
それは詰問。知らされてなかったのか、ソウスケさんが眉をひそめた。
「はい」
「何故倒れたのかは、ご存知ですか?」