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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
はっきりと言葉で肯定された訳ではないが、俺は十中八九みゆきが関与したと思っている。あの時真純はハルカさんにどう説明したのか……
隣に座る真純を見下ろして、揺れる瞳と目が合った。軽く手を握られて。
……
みゆきが関与していると聞けばハルカさんは確実に俺に反感と不信を抱く。俺にも明言しない真純がそうと分かっていて姉に事実を話すとも思えない。
小さな手を握り返して頭を上げた。
「いえ」
俺の応えにハルカさんの眉が寄る。その目に宿るのは疑い。
「……私は、仕事のトラブルが原因で真純が倒れたのではないと思っています」
手の中で細い指がピクリと動いた。
淡々とした口調に真純が話していない事を確信する。
「斎藤さん自身に、思い当たることはありませんか?」
それは当然の疑問。
視界の隅で真純が目を閉ざすのが見えた。僅かに寄せられた眉ね。
姉が俺を疑う。
当然の事だが真純に辛い思いをさせてしまうのか……
ならば真純の前で彼女が黙っている事を口にする訳にはいかない。たとえそれが事実だとしても。
狡いと思う。卑怯だとも。でも、この場はしらを切り通す、か……
口を開こうとして真純に強く手を握られた。
隣に座る真純を見下ろして、揺れる瞳と目が合った。軽く手を握られて。
……
みゆきが関与していると聞けばハルカさんは確実に俺に反感と不信を抱く。俺にも明言しない真純がそうと分かっていて姉に事実を話すとも思えない。
小さな手を握り返して頭を上げた。
「いえ」
俺の応えにハルカさんの眉が寄る。その目に宿るのは疑い。
「……私は、仕事のトラブルが原因で真純が倒れたのではないと思っています」
手の中で細い指がピクリと動いた。
淡々とした口調に真純が話していない事を確信する。
「斎藤さん自身に、思い当たることはありませんか?」
それは当然の疑問。
視界の隅で真純が目を閉ざすのが見えた。僅かに寄せられた眉ね。
姉が俺を疑う。
当然の事だが真純に辛い思いをさせてしまうのか……
ならば真純の前で彼女が黙っている事を口にする訳にはいかない。たとえそれが事実だとしても。
狡いと思う。卑怯だとも。でも、この場はしらを切り通す、か……
口を開こうとして真純に強く手を握られた。