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甘く、深く、繋がって
第24章 対峙
「そばに……出来る限り、真純の側にいます」
「……側にいれば守れるのか?」
少し開いた間に続いたのは淡々とした問い。そこに微妙な違和感を感じる。

……気にし過ぎか

余計な思考を脇に追いやる。
側にいれば守れるのではない。
「側にいなければ、気付く事も守る事も出来ません」
それは俺が何度も痛感した事実。
その言葉にソウスケさんの眉が小さく動いた。でも反応したのはそれだけ。俺を見返す瞳は変わらずガラス玉の様で寒気がする。
「そうだな」
やがて返されたのは静かな肯定。
「側にいなければ、してやれることは限られている」
口調は変わらない。でも……

あぁ、そうか

不意に気が付いた。
事件があったのは三年前。僻地医療に携わるソウスケさんは恐らく近くにいなかった……
真純と連絡が取れなくなったと聞かされて、ソウスケさんが自分に抱いた憤りは俺なんかの比じゃないに違いない。恐らくそれは一生消すことの出来ない自責の念。
「だが気付いたからと言って、人の負の感情をカバーするのはそう易くない。ただでさえ君と真純とでは生活のリズムが合わない。そんな中でも出来ると思うのか?」
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