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甘く、深く、繋がって
第24章 対峙
ちょっと待て、一人残したって……
小二の妹を置いて行ったのか?
「当時世話になってた家には俺たちの三つ上になる息子がいたんだ。高一の夏に一緒に住まわせてもらうようになって、半年した頃から何かと悠に絡んできてたらしい」
驚く俺に構うことなく淡々と話しを続けていたソウスケさんの目が鋭くなる。隣のハルカさんが顔を伏せて。
「強く拒否できない悠に男の行動は次第にエスカレートし、俺が気づいた時には冗談や悪戯で済ませられない事態にまでなっていた」
ギリッと奥歯を噛む、その音が聞こえてくるようだった。
「止めてもらおうにも養父母からは見て見ぬふりを貫かれ、一刻の猶予もなく卒業と同時に家を出た。真純を連れて出る準備をする余裕もなかった。事情がそんなだから真純の事は気にはなってもろくに連絡も入れられない。学費と生活費とを稼いで生活を維持するのに必死で気づけば年月が経っていた。真純とまた会える様になったのは彼女が別の養父母の所へ移った中学三年になってから」
は?
それで結果、六年もほったらかしたって言うのか?
千佳が顔を曇らせた真純の“育ち”に目眩がした。
いくらなんでも酷過ぎる。
小二の妹を置いて行ったのか?
「当時世話になってた家には俺たちの三つ上になる息子がいたんだ。高一の夏に一緒に住まわせてもらうようになって、半年した頃から何かと悠に絡んできてたらしい」
驚く俺に構うことなく淡々と話しを続けていたソウスケさんの目が鋭くなる。隣のハルカさんが顔を伏せて。
「強く拒否できない悠に男の行動は次第にエスカレートし、俺が気づいた時には冗談や悪戯で済ませられない事態にまでなっていた」
ギリッと奥歯を噛む、その音が聞こえてくるようだった。
「止めてもらおうにも養父母からは見て見ぬふりを貫かれ、一刻の猶予もなく卒業と同時に家を出た。真純を連れて出る準備をする余裕もなかった。事情がそんなだから真純の事は気にはなってもろくに連絡も入れられない。学費と生活費とを稼いで生活を維持するのに必死で気づけば年月が経っていた。真純とまた会える様になったのは彼女が別の養父母の所へ移った中学三年になってから」
は?
それで結果、六年もほったらかしたって言うのか?
千佳が顔を曇らせた真純の“育ち”に目眩がした。
いくらなんでも酷過ぎる。