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甘く、深く、繋がって
第24章 対峙
頼れる大人もなく、まだ高校を卒業したに過ぎない。二人に手立てがなかったのは分かる。
ハルカさんを連れて出る、それだけでも大変だった事も想像に難くない。ソウスケさんは先々の困難を承知でその時点で出来る、最もベターな事をした。
そう頭では理解できる。……理解は出来ても残された真純を思うと、胸が軋む。

きっと当時、真純は理由の説明もしてもらえなかっただろう。
訳も分からず一人にされて、会いに来てもらえない。
どれだけの孤独の中、生きて来たのか……

「幸い養父母が悠の二の舞にならない様には気に掛けてくれていたようだったが、再会した時にはもう、真純は自分の感情を抑制し、周りの顔色を窺って行動するようになっていた」
淡々と話しているように見えて、その口調の裏にあるソウスケさんの後悔を垣間見た気がした。
「俺は医大を卒業したばかりだったが、悠はもう働いていて。一緒に住む提案をしたんだ。でもそれは、新しい養父母に断られた。その後も大学進学や就職など機会がある度に直接真純に声を掛けているが、彼女が俺たちに頼った事はない。あの事件の後でさえも、だ」
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