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甘く、深く、繋がって
第6章 夢の国
ゲートを抜ける時に一度下ろしてもらったのだけど、すでに足元が覚束なくて。斎藤さんにクスリと笑われた。
黙って差し出された手に素直に手を重ね、また抱き上げてもらう。
「真純のエッチ」
小さな囁きは直接耳に吹き込まれ、ゾクゾクと背中を震わせる。

違いますって言いたいけれど、腰が砕けてしまっていては説得力はないに等しい。僅かな動きに煽られて、身体を火照らせてるのは私。

……こんな身体、ヤダ。

人を抱いて歩くのは重くて大変だろうに、斎藤さんは何故か上機嫌。
時々ツイと指が動く。その柔い刺激に熱は籠もる一方で。

止めて欲しいけど、続けて欲しい。
離れたくない。

私はギュッと斎藤さんの首に抱き付いた。
ふふっと笑って斎藤さんも同じようにギュッと引き寄せてくれる。
より密着した身体が熱くなったのは言うまでもない。

抱き上げられたまま駐車場へ入ってく。
歩いていれば当然距離は無くなるもので
「真純、ちょっと下ろすよ」
すぐ近くで響く声。

あぁ、車に着いちゃった……

「……ャ、ダ」
無意識に返事して
「うん、片手で支えてあげるから」
優しい口調で諭された。
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