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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
そのまま滑り落ちた手に肩をスイッと抱き寄せられて、拓真さんの腕の中。頭の上にキスが降ってきた。

あ……

心臓がドキドキして、遅れて顔が熱くなる。

後ろに壮ちゃんとはるちゃんがいるのに……

「はい、そこまで」
冷めた音色の低めのアルト。拓真さんの手を払い、後ろから千佳ちゃんの胸に引き戻された。
「ち、千佳ちゃん?」
見上げた千佳ちゃんの口元は笑ってる。でも目は挑戦するように拓真さんを見詰めてて。
「邪魔すんな」
対する拓真さんの口調は抑えられてても、ひそめた眉間が不機嫌そう。
「ちょっとは自重したら?」
千佳ちゃんがそう言って私の耳に口を寄せた。拓真さんの眉間にシワが寄る。
「うるさい。真純から離れろ」
私の方へ手を伸ばしてくる。千佳ちゃんが払おうとしたその手を桐生さんが遮った。
「タク、ストップ」
そして千佳ちゃんの腕を私の身体から剥がしてくれる。
「西園寺さんも、おしまい」
私の腕を引いて隣に並ばせると、シッシッと手を払って拓真さんを後ろに下げさせた。
「すみちゃんは僕の車ね」
「はっ!?」
「助手席で寝て良いから」
桐生さんは拓真さんに構うことなく、にこりと私に微笑んだ。
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