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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
腰をさらに引き寄せられて身体が密着する。間を隔てるコートが煩わしい。もっと近く、拓真さんを感じたい。
無意識に身体を擦り寄せていた。
「っすみ……」
少し掠れた拓真さんの声。ゾクゾクする。
「ん、拓真っ」
途中で言葉を遮られ、身体の奥がジンと熱くなった。
深く侵食されてクラクラする。なのにもっと拓真さんが欲しい。
ギュッと腕に力を込め、すがり付く。すかさずキツく抱き締められて……
「真純ー!」
千佳ちゃんの声に我に返った。
急いで手を離したけど、拓真さんは腕を私に回したまま。
「んっ、たっく、ま」
キスも止めてくれない。どころか深くなる。
「ふっ……んんっ」
気持ちは焦るのに溶かされていく。膝が落ちそうになって、また拓真さんにしがみついてしまった。
「真純、壮助さん心配してる」
近くなった声。

千佳ちゃんに見られてる……

あまりの恥ずかしさに必死になって拓真さんの胸を押し返した。
ようやく緩んだ拓真さんの腕。ゆっくり頭を起こし、離れ際に額にチュッとキスをして。
「行こうか」
拓真さんは千佳ちゃんに振り返る事なく私の顔を覗き込み、ニコリと笑った。
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