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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
三人並んで、少し高い駐車場から砂浜へ歩いて降りる。
ザンと砕ける波の音が強くなった。
目の前に開ける太平洋はまだ暗い。対照的にその上に広がる空は朝焼けに染まってて。薄く掛かった雲が朱色に輝いている。
「もう、上がるぞ」
私たちを振り返って壮ちゃんが教えてくれた。何となく全員海に向かって横に並ぶ。間もなく
あ……
冷たい空気の中、トロリとした朱鷺色の光が海から頭を出した。あまりの眩しさに瞬いて。
ゆっくりと登ってくる太陽。照らされた頬がじんわり温かい。
海原に太陽の道が出来る。
それは息を飲むほどに荘厳な日の出。
キュッと拓真さんに手を握られた。同じ様に握り返して温かい気持ちになる。
そっと見上げた拓真さんは薄紅色に照らされている。
私の視線に少し顔を傾け、チラリと流された優しい眼差し。フッと右の口角が上がった。
トクンと鼓動が跳ねる。気付けば目の前に頭を下げた拓真さんと唇が重なっていて。
ほんの一瞬、消えた波の音。
拓真さんは直ぐに身体を起こし、上からニコリと私を見下ろした。
……っ!
遅れて一気に頬が熱くなる。
慌てて顔を正面に戻す。拓真さんの大きな手を今度は私からギュッと握った。
ザンと砕ける波の音が強くなった。
目の前に開ける太平洋はまだ暗い。対照的にその上に広がる空は朝焼けに染まってて。薄く掛かった雲が朱色に輝いている。
「もう、上がるぞ」
私たちを振り返って壮ちゃんが教えてくれた。何となく全員海に向かって横に並ぶ。間もなく
あ……
冷たい空気の中、トロリとした朱鷺色の光が海から頭を出した。あまりの眩しさに瞬いて。
ゆっくりと登ってくる太陽。照らされた頬がじんわり温かい。
海原に太陽の道が出来る。
それは息を飲むほどに荘厳な日の出。
キュッと拓真さんに手を握られた。同じ様に握り返して温かい気持ちになる。
そっと見上げた拓真さんは薄紅色に照らされている。
私の視線に少し顔を傾け、チラリと流された優しい眼差し。フッと右の口角が上がった。
トクンと鼓動が跳ねる。気付けば目の前に頭を下げた拓真さんと唇が重なっていて。
ほんの一瞬、消えた波の音。
拓真さんは直ぐに身体を起こし、上からニコリと私を見下ろした。
……っ!
遅れて一気に頬が熱くなる。
慌てて顔を正面に戻す。拓真さんの大きな手を今度は私からギュッと握った。