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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
「き、キレイでしたね」
誰も何も話さなかったので、何となく小声になる。拓真さんは少し身体を屈めてくれて
「そうだね」
また笑顔を返してくれた。
その近さにドキドキしていると繋いでいた手を離された。寂しく思う間もなく、その手でポンポンと頭を撫でられる。そのままクイッと引き寄せられて
「来年は二人で、ね」
こそっと耳元で囁かれた。
その言葉と耳朶に掛かる吐息、僅かに触れた柔らかな感触に心臓が跳ねる。熱くて頭から湯気が出そう……
恥ずかしくなって俯いて
「可愛いね、真純」
上から落とされた囁きにますます深く顎を引いた。
拓真さん、甘過ぎます
みんないるのに……
…………
どうしよう
恥ずかしいのに
嬉しい、なんて……
一人ドキドキしていた私は頭上で交わされる会話をちゃんと聞いてなくて。
「じゃあ行くぞ」
壮ちゃんの言葉に慌てて頭を上げた。
えっ、もう帰るの?
せっかく皆でいるのに、ここで終わりにしたくない。
思わず壮ちゃんの方を見上げてしまった。
「……どうした?」
気付いてくれた壮ちゃんはいつもと同じ静かな瞳で私を見返してくる。
「もう、帰る……の?」
誰も何も話さなかったので、何となく小声になる。拓真さんは少し身体を屈めてくれて
「そうだね」
また笑顔を返してくれた。
その近さにドキドキしていると繋いでいた手を離された。寂しく思う間もなく、その手でポンポンと頭を撫でられる。そのままクイッと引き寄せられて
「来年は二人で、ね」
こそっと耳元で囁かれた。
その言葉と耳朶に掛かる吐息、僅かに触れた柔らかな感触に心臓が跳ねる。熱くて頭から湯気が出そう……
恥ずかしくなって俯いて
「可愛いね、真純」
上から落とされた囁きにますます深く顎を引いた。
拓真さん、甘過ぎます
みんないるのに……
…………
どうしよう
恥ずかしいのに
嬉しい、なんて……
一人ドキドキしていた私は頭上で交わされる会話をちゃんと聞いてなくて。
「じゃあ行くぞ」
壮ちゃんの言葉に慌てて頭を上げた。
えっ、もう帰るの?
せっかく皆でいるのに、ここで終わりにしたくない。
思わず壮ちゃんの方を見上げてしまった。
「……どうした?」
気付いてくれた壮ちゃんはいつもと同じ静かな瞳で私を見返してくる。
「もう、帰る……の?」