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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
千佳が真純の頼みを断るはずもなく、真純はホッとしたように携帯を下ろした。
「壮助さん達の所まで降りる?」
「いえ。御守り頼んだので、千佳ちゃん達待ってます」
きっと心配だろうに、律儀な真純はそう言って首を横に振る。
「ん、了解」
一応は同意して。でもここで待っていても合流出来るとは思えない。桐生さん達は参拝者の列を挟んだ向こう側にいる。
何処か合流しやすい場所はないか……
境内をグルリと見渡して
「どこで待ち合わせようか?」
振り返り、真純の顔色が悪い事に気が付いた。
「真純?」
肩に手を掛け、俯き加減の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫です。私も人に酔ったみたいで」
緩やかに首を振る真純。
「ちょっと掴まって?」
少し屈んで彼女の腕を首に掛けさせた。そのまま膝を掬って横向きに抱き上げる。
「たっ、拓真さん!」
驚いた様に、でも小さな声で俺を呼ぶ。
「危ないからじっとしてて」
離れようとした真純をキュッと引き寄せ
「あっちのベンチまで行くだけだから」
その一言で大人しくなった。
真純を抱えて境内の端まで行くと、事情を察したらしい三人連れがベンチを譲ってくれた。
「壮助さん達の所まで降りる?」
「いえ。御守り頼んだので、千佳ちゃん達待ってます」
きっと心配だろうに、律儀な真純はそう言って首を横に振る。
「ん、了解」
一応は同意して。でもここで待っていても合流出来るとは思えない。桐生さん達は参拝者の列を挟んだ向こう側にいる。
何処か合流しやすい場所はないか……
境内をグルリと見渡して
「どこで待ち合わせようか?」
振り返り、真純の顔色が悪い事に気が付いた。
「真純?」
肩に手を掛け、俯き加減の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫です。私も人に酔ったみたいで」
緩やかに首を振る真純。
「ちょっと掴まって?」
少し屈んで彼女の腕を首に掛けさせた。そのまま膝を掬って横向きに抱き上げる。
「たっ、拓真さん!」
驚いた様に、でも小さな声で俺を呼ぶ。
「危ないからじっとしてて」
離れようとした真純をキュッと引き寄せ
「あっちのベンチまで行くだけだから」
その一言で大人しくなった。
真純を抱えて境内の端まで行くと、事情を察したらしい三人連れがベンチを譲ってくれた。