この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
僅かに震えるその手に、ダレか見たのだと確信する。
……誰が、いた?
真純が震えるほど怖がる相手……
事件の男はまだ服役中だ。
とすれば、みゆきか黒田か……
ここはそれなりに大きな浅間神社で、俺たちの住む町からもそう遠くない。来ていてもおかしくはない。
「真純、だれ」
確認しようとして、慌てて両手をヒラヒラと振られた。
「あっ……ごめんなさい。温かいので、お願いします」
視線を膝に落とし、そこでギュッと拳を握る。
色が白くなるほど固く握られた両手。
みゆき絡みだとすれば尚更、俺に我慢して欲しくないのに……
「分かった。行かない」
なるべく優しく伝わるよう声を和らげ、左手でそっと真純の頭を肩口へ抱き寄せた。
「大丈夫、離れないから」
安心させたくて頭の上でポンポンと手を跳ねさせ、改めて視線を周囲へ飛ばす。そして見つけた。
丁度参拝を終え、折り返してくる人の中に年配の夫婦と一緒に歩くみゆきと……黒田。
身体が反応しそうになって何とか踏み留める。
黒田を目の前にしてふつふつ沸いてくる怒り。真純を思えばこそ、ここで発する訳にはいかない。
……誰が、いた?
真純が震えるほど怖がる相手……
事件の男はまだ服役中だ。
とすれば、みゆきか黒田か……
ここはそれなりに大きな浅間神社で、俺たちの住む町からもそう遠くない。来ていてもおかしくはない。
「真純、だれ」
確認しようとして、慌てて両手をヒラヒラと振られた。
「あっ……ごめんなさい。温かいので、お願いします」
視線を膝に落とし、そこでギュッと拳を握る。
色が白くなるほど固く握られた両手。
みゆき絡みだとすれば尚更、俺に我慢して欲しくないのに……
「分かった。行かない」
なるべく優しく伝わるよう声を和らげ、左手でそっと真純の頭を肩口へ抱き寄せた。
「大丈夫、離れないから」
安心させたくて頭の上でポンポンと手を跳ねさせ、改めて視線を周囲へ飛ばす。そして見つけた。
丁度参拝を終え、折り返してくる人の中に年配の夫婦と一緒に歩くみゆきと……黒田。
身体が反応しそうになって何とか踏み留める。
黒田を目の前にしてふつふつ沸いてくる怒り。真純を思えばこそ、ここで発する訳にはいかない。