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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
ビクンと真純が身体を震わせる。ギュッと俺の腕を掴み下を向いて。
少し離れた所から小走りに近付いてくる足音に舌打ちしそうになった。
目に見えて身体を強張らせた真純。腕を掴ませたまま彼女の頬を優しく包む。上を向かせて目線を合わせ
「大丈夫、だから」
小さく伝えた俺にぎこちなく微笑み返してくれた。
……真純は、俺が守る
腕を掴んでいた真純の両手をそっと離させ、左手で指を絡めて繋ぎ直した。
キュッと一度強く握る。その手を背中に回して後ろを振り返った。
「拓真っ!」
あんな別れ方をしたにも関わらずみゆきは笑っていて。募る苛立ちに深いため息が吐いて出た。
「拓真も初詣に来、た……の?」
近くまで来てその笑みが固まる。真純の手に力が入ったのは、みゆきの視線を感じての事だろう。同じ様に握り返し、みゆきの視線を遮るように身体を差し入れた。
「俺らに近付くなと言ったはずだけど?」
怒りを押し込め、低い声でみゆきを牽制する。
奥から近付いてくるみゆきと造りの似た年配の夫婦。彼女の両親であろう彼らに一応の礼節をわきまえ、言葉を選んで。
というより、真純の前で声を荒げるような事はしたくない。
少し離れた所から小走りに近付いてくる足音に舌打ちしそうになった。
目に見えて身体を強張らせた真純。腕を掴ませたまま彼女の頬を優しく包む。上を向かせて目線を合わせ
「大丈夫、だから」
小さく伝えた俺にぎこちなく微笑み返してくれた。
……真純は、俺が守る
腕を掴んでいた真純の両手をそっと離させ、左手で指を絡めて繋ぎ直した。
キュッと一度強く握る。その手を背中に回して後ろを振り返った。
「拓真っ!」
あんな別れ方をしたにも関わらずみゆきは笑っていて。募る苛立ちに深いため息が吐いて出た。
「拓真も初詣に来、た……の?」
近くまで来てその笑みが固まる。真純の手に力が入ったのは、みゆきの視線を感じての事だろう。同じ様に握り返し、みゆきの視線を遮るように身体を差し入れた。
「俺らに近付くなと言ったはずだけど?」
怒りを押し込め、低い声でみゆきを牽制する。
奥から近付いてくるみゆきと造りの似た年配の夫婦。彼女の両親であろう彼らに一応の礼節をわきまえ、言葉を選んで。
というより、真純の前で声を荒げるような事はしたくない。