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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために

「ありがとうございます。少し、楽になりました」
震えるかと思ったけど、普通に話せてホッとする。
拓真さんの目元が少し緩む。でもまだ心配そう。
「少し戻った所に自販機があったと思うから、飲み物買ってくるね。あったかいのと冷たいの、どっちが良い?」
拓真さんに動かれたくなくて
「だ、大丈夫です」
慌ててしまった。
「そんなに遠くじゃないし、すぐ戻ってくるよ?」
そう、だけど。戻ってくる時に出会ってしまうかもしれない。何より一人残されるのは怖い。そう思ったら咄嗟に拓真さんの手を取っていた。
「そ、傍にいて下さい」
焦るあまりに声が跳ね、チラリと流された視線。その先を目で追って
あ……
震える手は怯える気持ちを隠せない。
拓真さんの顔が曇ったのが分かった。
気付かれた、よね?
「真純、だれ」
拓真さんの質問にパッと手を離した。心配かけたくなくてひらひらと振る。
「あっ……ごめんなさい。温かいので、お願いします」
そんな事しても、拓真さんが見逃してくれる訳もなく。目の前に膝を付き、目線を合わせて覗き込まれた。
「分かった。行かない」
緊張する私に、掛けられたのは優しい声で。伸びてきた左手に頭をそっと引き寄せられた。
震えるかと思ったけど、普通に話せてホッとする。
拓真さんの目元が少し緩む。でもまだ心配そう。
「少し戻った所に自販機があったと思うから、飲み物買ってくるね。あったかいのと冷たいの、どっちが良い?」
拓真さんに動かれたくなくて
「だ、大丈夫です」
慌ててしまった。
「そんなに遠くじゃないし、すぐ戻ってくるよ?」
そう、だけど。戻ってくる時に出会ってしまうかもしれない。何より一人残されるのは怖い。そう思ったら咄嗟に拓真さんの手を取っていた。
「そ、傍にいて下さい」
焦るあまりに声が跳ね、チラリと流された視線。その先を目で追って
あ……
震える手は怯える気持ちを隠せない。
拓真さんの顔が曇ったのが分かった。
気付かれた、よね?
「真純、だれ」
拓真さんの質問にパッと手を離した。心配かけたくなくてひらひらと振る。
「あっ……ごめんなさい。温かいので、お願いします」
そんな事しても、拓真さんが見逃してくれる訳もなく。目の前に膝を付き、目線を合わせて覗き込まれた。
「分かった。行かない」
緊張する私に、掛けられたのは優しい声で。伸びてきた左手に頭をそっと引き寄せられた。

