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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
隠そうとされたという事は、少なくともみゆきさんが私をよく思っていないのは知ってるって事だよね?
それは、単に私が拓真さんと付き合ってるから?
それとも……事件の事も知ってるの?

考えると胸の奥が軋む様に痛い。
怖い……

そのまま良くない考えに沈みそうになって
「私は認めない!あんなお」
「黙れ」
「みゆき!」
大きな声にはっと気が付いた。
「お前の許可は要らない。勝手な妄想で真純を貶めてんなよ」
「妄想じゃない!現に」
「違う!違うって、みゆき。河合さんは、そんな人じゃない。何度言えば分かんだよ」

そんな人……

疑いは確信に変わる。
知られてるかもしれないと思ってはいても衝撃は大きくて、拓真さんと繋いだ手が背中が震えてしまった。でも、黒田さんがみゆきさんの言う私を否定してくれているのも同時に分かって……

どう、して?

嫌な人、怖い人だと思ってた……
啓太たちと同じ、私の身体に執着してる人だって……
でも『違う』って……

拓真さんだけじゃなくて、私、黒田さんにも守られてるの?

黒田さんとみゆきさんの関係は分からない。でも元日に一緒に初詣に来るくらいだから、きっと親しい間柄。
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