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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
見上げる私に少し首を傾げて。視線が絡み、緩んだ口元。拓真さんとクラウチさんの会話に横から入ってしまった事を気にしていたけれど、それは大丈夫だったみたい。ホッとして余計な力が抜ける。
拓真さんが少し目を細めた。次いで上がった右の口角。ドキッとして慌てて前を向いて。クラウチさんの柔らかな眼差しにぶつかった。
え?
まるで見守られているかの様。思いもよらなくて驚いてしまう。
一瞬動きが止まった私に拓真さんの腕が再び緊張する。
先に口を開いたのはクラウチさんだった。
「娘のせいでお二人に歪(ひず)みが生じてしまわないか危惧したのだが、杞憂のようだ」
柔らかな笑みのままでそう言って。次いで表情を改め、姿勢を正す。
「この度は娘の身勝手な行動でお二人には大変迷惑をかけ、申し訳なかった。親である私が謝罪しても何にもならないが、今後お二人に関わらないよう娘が納得するまで説得すると約束しよう」
そう言ってクラウチさんが後ろを振り返った。
前を黒田さんに遮られ、左腕をお母さんらしい女性に抑えられて立つみゆきさん。クラウチさんが動いた事で彼女のキツい眼差しに改めて正面から向き合うことになった。
拓真さんが少し目を細めた。次いで上がった右の口角。ドキッとして慌てて前を向いて。クラウチさんの柔らかな眼差しにぶつかった。
え?
まるで見守られているかの様。思いもよらなくて驚いてしまう。
一瞬動きが止まった私に拓真さんの腕が再び緊張する。
先に口を開いたのはクラウチさんだった。
「娘のせいでお二人に歪(ひず)みが生じてしまわないか危惧したのだが、杞憂のようだ」
柔らかな笑みのままでそう言って。次いで表情を改め、姿勢を正す。
「この度は娘の身勝手な行動でお二人には大変迷惑をかけ、申し訳なかった。親である私が謝罪しても何にもならないが、今後お二人に関わらないよう娘が納得するまで説得すると約束しよう」
そう言ってクラウチさんが後ろを振り返った。
前を黒田さんに遮られ、左腕をお母さんらしい女性に抑えられて立つみゆきさん。クラウチさんが動いた事で彼女のキツい眼差しに改めて正面から向き合うことになった。