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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
すかさず拓真さんが私を背中に庇う。
「拓真さん」
前に出ようとして阻まれて。
「駄目だ」
私を制する声が硬い。明らかにみゆきさんを警戒する拓真さんにさっきの衝撃が思い出され、動くのを躊躇する。
また、何を言われるか……
啓太の事だけじゃなく、高校生の時の事も全部知ってそうな口振りだった。私に謝った拓真さん、も……
それを思うと胸の奥がザワザワする。
でも、いつ知られてしまったのか分からない。それくらい、拓真さんは変わらずにいてくれた。
すぐ目の前に立つ、私を守る大きな背中。
ついさっきも微笑んでくれた優しい眼差し。
それはきっと、この先も……
大丈夫。
拓真さんは変わらずにいてくれる。
信じる事が出来るから。
拓真さんの背中両手を添え、手と手の間に額を押し当てた。微動だにしない拓真さんに、私を守ろうする思いの強さを感じて胸が熱くなる。鼻の奥がツーンとして。
嬉しくて、泣いてしまいそう……
コートの上で拳を握り、拓真さんに力をもらいたくて軽く額を擦り付けた。
小さく息を吐いて上体を起こす。一歩下がって拓真さんの影から抜けると、すぐにみゆきさんのキツい視線に絡まれた。
「拓真さん」
前に出ようとして阻まれて。
「駄目だ」
私を制する声が硬い。明らかにみゆきさんを警戒する拓真さんにさっきの衝撃が思い出され、動くのを躊躇する。
また、何を言われるか……
啓太の事だけじゃなく、高校生の時の事も全部知ってそうな口振りだった。私に謝った拓真さん、も……
それを思うと胸の奥がザワザワする。
でも、いつ知られてしまったのか分からない。それくらい、拓真さんは変わらずにいてくれた。
すぐ目の前に立つ、私を守る大きな背中。
ついさっきも微笑んでくれた優しい眼差し。
それはきっと、この先も……
大丈夫。
拓真さんは変わらずにいてくれる。
信じる事が出来るから。
拓真さんの背中両手を添え、手と手の間に額を押し当てた。微動だにしない拓真さんに、私を守ろうする思いの強さを感じて胸が熱くなる。鼻の奥がツーンとして。
嬉しくて、泣いてしまいそう……
コートの上で拳を握り、拓真さんに力をもらいたくて軽く額を擦り付けた。
小さく息を吐いて上体を起こす。一歩下がって拓真さんの影から抜けると、すぐにみゆきさんのキツい視線に絡まれた。