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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
みゆきさんの目の動きに応じる様に上げられた拓真さんの左腕。丁度視線が遮られて少し息を吐く事が出来た。
守ろうとしてくれる拓真さんの思いに感謝して、その腕に手を伸ばす。
「真純」
ゆっくり腕を引き下ろすと拓真さんに振り返られた。心配そうな眼差しに腕から手へ右手を滑らせ、指を絡めて繋ぎ直す。
何を言われても、拓真さんへの気持ちは譲れない。
そのためにもみゆきさんと話をしなくちゃ……
キュッと手に力を込めて拓真さんの隣に並ぶ。
「みゆきさん、」
「……なに」
私に対する嫌悪を隠さない彼女に拓真さんの手に力が入る。すぐにでも私を背中に庇いそうな様子に、もう一度拓真さんの大きな手を握り直した。
「先ほどの質問ですが」
「……」
「私はどの人も、ちゃんと好きでした。でも、みゆきさんが言ったように……ソノ事しか覚えて貰えてないのでしたら、それは否定しません」
話し始めて今更ながら気付いた事がある。
それは啓太にも、高校の時の彼氏にもこんな風に気持ちを伝えようとしていたかな、と言う事。
会えばいつもセックスに流される。自分の気持ちを伝える事より、相手に応える事ばかりを優先していた……
守ろうとしてくれる拓真さんの思いに感謝して、その腕に手を伸ばす。
「真純」
ゆっくり腕を引き下ろすと拓真さんに振り返られた。心配そうな眼差しに腕から手へ右手を滑らせ、指を絡めて繋ぎ直す。
何を言われても、拓真さんへの気持ちは譲れない。
そのためにもみゆきさんと話をしなくちゃ……
キュッと手に力を込めて拓真さんの隣に並ぶ。
「みゆきさん、」
「……なに」
私に対する嫌悪を隠さない彼女に拓真さんの手に力が入る。すぐにでも私を背中に庇いそうな様子に、もう一度拓真さんの大きな手を握り直した。
「先ほどの質問ですが」
「……」
「私はどの人も、ちゃんと好きでした。でも、みゆきさんが言ったように……ソノ事しか覚えて貰えてないのでしたら、それは否定しません」
話し始めて今更ながら気付いた事がある。
それは啓太にも、高校の時の彼氏にもこんな風に気持ちを伝えようとしていたかな、と言う事。
会えばいつもセックスに流される。自分の気持ちを伝える事より、相手に応える事ばかりを優先していた……