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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
それも好きだから、応えたいからと言った前向きな理由じゃなく、嫌われたり、要らないと言われたりするのが怖いからという後ろ向きな理由から……
あぁ、だから行為がエスカレートしていったんだ……
今になって気付いたもう一つの過ち。
自分の愚かさに目眩がする。
小さく息を吐き、気持ちを整えて。
今は、みゆきさんと話さなきゃ……
「そうなる要因は私にあったんだと思います」
「分かってるじゃない。それでも自分は拓真に相応しいと思ってる訳?」
蔑むような物言いに拓真さんが私の手を引こうとした。足を踏み締めてそれに抗い、みゆきさんの目を見詰め返す。
「過去は、取り消せません。でも、今からを変える事は出来ます」
変えなくちゃ
変わらなくちゃ
「同じ過ちは繰り返しません。それ以前に、拓真さんはそんな人じゃありません」
「どうだか」
はっと笑ったみゆきさんの頬が歪む。
「たった数ヵ月で拓真の何を知ってるの?そもそもあなたが繰り返さない保証なんて、どこにあるのよ」
「みゆき!」
「いい加減にしなさい」
「私の心です」
拓真さんの制する声とクラウチさんが叱責する声、それに私の言葉が重なった。
あぁ、だから行為がエスカレートしていったんだ……
今になって気付いたもう一つの過ち。
自分の愚かさに目眩がする。
小さく息を吐き、気持ちを整えて。
今は、みゆきさんと話さなきゃ……
「そうなる要因は私にあったんだと思います」
「分かってるじゃない。それでも自分は拓真に相応しいと思ってる訳?」
蔑むような物言いに拓真さんが私の手を引こうとした。足を踏み締めてそれに抗い、みゆきさんの目を見詰め返す。
「過去は、取り消せません。でも、今からを変える事は出来ます」
変えなくちゃ
変わらなくちゃ
「同じ過ちは繰り返しません。それ以前に、拓真さんはそんな人じゃありません」
「どうだか」
はっと笑ったみゆきさんの頬が歪む。
「たった数ヵ月で拓真の何を知ってるの?そもそもあなたが繰り返さない保証なんて、どこにあるのよ」
「みゆき!」
「いい加減にしなさい」
「私の心です」
拓真さんの制する声とクラウチさんが叱責する声、それに私の言葉が重なった。