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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
真純に感謝こそすれ、謝られる事は何もない。過去の傷まで抉らせて、謝罪すべきなのは俺だ。
細い腰に腕を回し、そっと引き寄せ身体を密着させる。
「謝らないで」
「でも」
「みゆきが怒りを抑えて自分から退いたのは、真純のお蔭」
腕の中で左右に首を振る、彼女の華奢な肩を抱き締めて、その動きを阻む。
「俺には、出来なかった。ありがとう」
感謝しても、しきれない。
「そんな……」
「謝らなきゃいけないのは、俺」
真純の身体に力が入った。
「……みゆきの事で嫌な思いをさせて、すまなかった」
謝った俺に小さく震える。
「……知って、たんですね」
聞いたのは元彼だという男のセリフだけ。みゆきの言葉を鵜呑みにした訳でもない。でも『知って』いたのは事実。
「あぁ」
「……みゆきさん、ですか?」
僅かに揺れた真純の声に。
「……あぁ」
応えが重くなる。
「ごめん」
過去を暴いて晒したみゆきの行為は許されるモノじゃない。俺が謝ったところでその傷は癒えない。
「……」
じっと黙り込んだ真純。願いを込めて抱き締める。
「俺はね、真純。変わってしまった男の気持ちが何となく分かるんだ」
細い腰に腕を回し、そっと引き寄せ身体を密着させる。
「謝らないで」
「でも」
「みゆきが怒りを抑えて自分から退いたのは、真純のお蔭」
腕の中で左右に首を振る、彼女の華奢な肩を抱き締めて、その動きを阻む。
「俺には、出来なかった。ありがとう」
感謝しても、しきれない。
「そんな……」
「謝らなきゃいけないのは、俺」
真純の身体に力が入った。
「……みゆきの事で嫌な思いをさせて、すまなかった」
謝った俺に小さく震える。
「……知って、たんですね」
聞いたのは元彼だという男のセリフだけ。みゆきの言葉を鵜呑みにした訳でもない。でも『知って』いたのは事実。
「あぁ」
「……みゆきさん、ですか?」
僅かに揺れた真純の声に。
「……あぁ」
応えが重くなる。
「ごめん」
過去を暴いて晒したみゆきの行為は許されるモノじゃない。俺が謝ったところでその傷は癒えない。
「……」
じっと黙り込んだ真純。願いを込めて抱き締める。
「俺はね、真純。変わってしまった男の気持ちが何となく分かるんだ」