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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
真純にギュッと左腕を抱え込まれた。
僅かに震えるその身体。腕を掴む真純の両手に右手を重ねて包み込む。
俺は真純の過去の男たちの様にはならない。
「俺の過去はあんなだし、初めに抱いた時無茶させた覚えもあるから、簡単に信じられないかもしれない」
悔いる俺に左右に頭を振った真純。言葉はなくても許されている様で。
二度と嫉妬に駆られて真純を組み敷く様な事はしない。改めて心に誓う。
「でも、真純を思う気持ちに偽りはない」
祈りを込めて抱き締める。
「何よりも真純が大切なんだ」
真純より優先させたいものなんて何もない。
「我慢しないで、楽しい事も辛い事も俺に教えて?」
真純に甘えてもらえる男になりたい。
「真純の我が儘、叶えさせてよ」
真純の笑顔を守らせて。
……真純、君を愛してる。
「一緒に、幸せになろう?」
「ふっ、うぅ」
突然溢れ出した真純の嗚咽。
今までにも増して強く腕を掴まれたかと思うと、大きく身を捩られた。
緩めた腕の中で真純が俺を振り返る。
涙に濡れた大きな瞳。八の字に下がった眉。
俺を見上げて眉根を寄せる。
「……っ」
腕を伸ばした真純に抱き付かれた。
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