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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
強くしがみついてくる華奢な身体を包み込む。
「真純……」
「あっ…ありがっと……ざいま、す……」
しゃくり上げて途切れながらも、真純が言葉を綴る。
「わ、私、は……もぅ、十分……幸せ、です。たく、まさ……は?」
真純に『幸せ』だと感じてもらえるだけで嬉しいのに、『十分幸せ』って……その上俺の事も気にしてくれるとか。
ホント、愛しくて、堪らない。
「幸せだよ」
幸せ過ぎて、胸が熱い。
真純を抱く腕に力が入る。
「もっと、ずっと二人で幸せを築いて行こう?」
小さく何度も頷いて、真純が声を上げて泣き出した。
「真純と幸せで居られるように、俺に出来ることは何でもするから……俺の、隣で笑ってて?」
「っくま、さ……」
「うん?」
「たくまさん」
「うん」
ギューッと強く抱き締めて、腕を緩めた。
首に回された真純の腕に手を掛け、ゆっくりと解かせる。恥ずかしがって顎を引く、その頬を両手で包み、親指の腹で涙を拭ってそっと上を向かせた。
「んっ……」
額にキスを一つ。次々と溢れる涙を目尻に寄せた唇で左右交互に吸い取って。
「真純。目、開けて?」
静かな声で促すと、小刻みに震えた目蓋がゆっくりと開いた。
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