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甘く、深く、繋がって
第30章 仕事初め
「私は銀行に行きたいから先に戻るけど、真純ちゃんは一時までまだあるし、折角だからゆっくりして」
えっ?
銀行に行くのは初耳だった。それに今日は早く出てきたのに、一時までって……
聞き返そうとして田中さんにパチンとウィンクされた。
……あ、もしかして……
これって、協力?
「ご馳走さまでした。おいくらですか?」
田中さんが笑顔のまま拓真さんに向き直る。お財布を出そうとした動きを笑顔で制して。
「誘ったのは俺ですし、メニューにもありませんから頂けません」
拓真さんが軽く掲げた手を左右に振った。
「またオープンしてる時間(とき)にいらしてください」
拓真さんと一緒に入り口まで田中さんを見送って、カウンターの席へ。戻ってきた拓真さんがコーヒーと私には紅茶を煎れてくれる。
「今日はありがとう」
「?」
お礼を言われる理由が思い当たらない。
「ちゃんとオープンもしてないのに、来てくれて」
「そんな、こちらこそまだお店お休みなのに、ありがとうございました」
お礼を言うのは私たちの方だ。
「店の前から離れるのが見えて、急いで追い掛けた」
ふっと笑って私の前にティーセットを置いてくれる。
えっ?
銀行に行くのは初耳だった。それに今日は早く出てきたのに、一時までって……
聞き返そうとして田中さんにパチンとウィンクされた。
……あ、もしかして……
これって、協力?
「ご馳走さまでした。おいくらですか?」
田中さんが笑顔のまま拓真さんに向き直る。お財布を出そうとした動きを笑顔で制して。
「誘ったのは俺ですし、メニューにもありませんから頂けません」
拓真さんが軽く掲げた手を左右に振った。
「またオープンしてる時間(とき)にいらしてください」
拓真さんと一緒に入り口まで田中さんを見送って、カウンターの席へ。戻ってきた拓真さんがコーヒーと私には紅茶を煎れてくれる。
「今日はありがとう」
「?」
お礼を言われる理由が思い当たらない。
「ちゃんとオープンもしてないのに、来てくれて」
「そんな、こちらこそまだお店お休みなのに、ありがとうございました」
お礼を言うのは私たちの方だ。
「店の前から離れるのが見えて、急いで追い掛けた」
ふっと笑って私の前にティーセットを置いてくれる。