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甘く、深く、繋がって
第30章 仕事初め
「隣、良い?」
「えっ?あっ、はい」
さっきはカウンターを挟んでの食事だった。
拓真さんは自分のコーヒーカップをティーセットの隣に置いて、キッチンを出た。
フッとキッチンの照明が消える。次いでカウンターの上の明かりも落とされて、急に薄暗くなった店内。とはいえ、通り側は一面ガラス張りなので、目が慣れると外からの明かりで充分明るい。
「田中さん、紹介してくれてありがとう」
後ろから柔らかな声がして、拓真さんに頭をくしゃりと撫でられた。そのまま私の後ろを通り抜け、右隣のスツールに腰掛ける。
「思ったより、勢いのある人だった」
そう言ってクスリと笑った拓真さんにつられるように笑ってしまった。
「私も、あんなにいっぱい突っ込まれると思わなかったです」
「凄かったな」
「はい」
『どうして付き合うことになったの?』
『って言うか、いつから?どっちから?何切っ掛け?』
ポンポンと勢い良く飛び出した質問。それは拓真さんに対しても変わらなくて。でも拓真さんは嫌な顔一つせず、笑顔で応じてくれた。
『結システムの面子と一緒に来てたのは知ってたんです。でも惚れたのはもっと前。俺の、初恋です』
『きゃーっ!!』
「えっ?あっ、はい」
さっきはカウンターを挟んでの食事だった。
拓真さんは自分のコーヒーカップをティーセットの隣に置いて、キッチンを出た。
フッとキッチンの照明が消える。次いでカウンターの上の明かりも落とされて、急に薄暗くなった店内。とはいえ、通り側は一面ガラス張りなので、目が慣れると外からの明かりで充分明るい。
「田中さん、紹介してくれてありがとう」
後ろから柔らかな声がして、拓真さんに頭をくしゃりと撫でられた。そのまま私の後ろを通り抜け、右隣のスツールに腰掛ける。
「思ったより、勢いのある人だった」
そう言ってクスリと笑った拓真さんにつられるように笑ってしまった。
「私も、あんなにいっぱい突っ込まれると思わなかったです」
「凄かったな」
「はい」
『どうして付き合うことになったの?』
『って言うか、いつから?どっちから?何切っ掛け?』
ポンポンと勢い良く飛び出した質問。それは拓真さんに対しても変わらなくて。でも拓真さんは嫌な顔一つせず、笑顔で応じてくれた。
『結システムの面子と一緒に来てたのは知ってたんです。でも惚れたのはもっと前。俺の、初恋です』
『きゃーっ!!』