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甘く、深く、繋がって
第32章 溶け合う身体(前)
その『ごめん』は何に?
言われた直後も謝られたけれど、蔑む口調は本気としか思えなかった。
……ハマダさんの本音はどっち?
分からない私は受け入れる事も拒否する事も出来なくて。
「ぃぇ……」
小さく応えて目を伏せた。
逸らした視界に入った固く握られた拳。振り仰いだ拓真さんは目を閉ざしていて。ゆっくり息を吐き、怒りを抑えようとしてくれている。
拓真さん……
胸の奥がギュッとなる。
身体を起こしてその拳にそっと手を添えた。
ピクッと震え、ゆっくりと持ち上がった目蓋。私を捉えた拓真さんの眉ねが寄せられる。
「ごめん」
同じ言葉でも、拓真さんの一言は胸に深く染み込んでくる。
感謝こそしていても、謝られる事なんて何もないのに……
シクンと胸の奥が痛くなる。
黙ったまま首を左右に振った。
拓真さんがハマダさんに謝罪して、もう一度ハマダさんから謝られたけど、何も返せなかった。
公園を背に並んで歩く。私に合わせ、ゆっくり歩いてくれる拓真さん。しっかりと繋いでくれるその手は温かい。なのに、私の心はハマダさんの言葉に苛なまれていた。
言われた直後も謝られたけれど、蔑む口調は本気としか思えなかった。
……ハマダさんの本音はどっち?
分からない私は受け入れる事も拒否する事も出来なくて。
「ぃぇ……」
小さく応えて目を伏せた。
逸らした視界に入った固く握られた拳。振り仰いだ拓真さんは目を閉ざしていて。ゆっくり息を吐き、怒りを抑えようとしてくれている。
拓真さん……
胸の奥がギュッとなる。
身体を起こしてその拳にそっと手を添えた。
ピクッと震え、ゆっくりと持ち上がった目蓋。私を捉えた拓真さんの眉ねが寄せられる。
「ごめん」
同じ言葉でも、拓真さんの一言は胸に深く染み込んでくる。
感謝こそしていても、謝られる事なんて何もないのに……
シクンと胸の奥が痛くなる。
黙ったまま首を左右に振った。
拓真さんがハマダさんに謝罪して、もう一度ハマダさんから謝られたけど、何も返せなかった。
公園を背に並んで歩く。私に合わせ、ゆっくり歩いてくれる拓真さん。しっかりと繋いでくれるその手は温かい。なのに、私の心はハマダさんの言葉に苛なまれていた。