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甘く、深く、繋がって
第32章 溶け合う身体(前)
でも、それは暗に“真純は厭らしいけど、はしたなくはない”と言われた様で、奥の方がシクシクする。
厭らしくなりたくない。どんなに思っても、自分の身体がすでにソウなのは、嫌と言うほど分かってる。
「真純はヤラシイ人の事を下品とかみっともないと思う?」
「……」
「必ずしもイコールじゃないでしょう?」
拓真さんの言う通り、厭らしい人がみんな下品な訳じゃない。黙ったまま頷き、胸に刺さる棘から目を反らそうとして。
「それに、真純は別にヤラシクないよ」
続いた言葉に動きが止まった。
「真純はね、ヤラシイんじゃなくて感じやすいんだよ」
私の心を知ってか知らずにか、拓真さんが私の左手を取り、内側を指先で優しく撫でる。
「んっ……」
それだけ、なのに震えてしまう。
「感じやすい子をヤラシイって言うのは、男の妄想」
「……」
話しながら時々擽られる左手にゾクゾクする。
「こんなに感じやすいのは、ヤラシイ事考えてるんじゃない?とかヤラシイ事されたいんじゃない?とかね」
「っち、ちがっ……ぁっ」
否定しようとして、手首を伝う拓真さんの指先に息が跳ねた。
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