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甘く、深く、繋がって
第32章 溶け合う身体(前)
ドクンと大きく鼓動が跳ねた。結構な勢いで走る心拍。
真純は胸元どころか全身を朱に染めて震えてる。
立ち上がってくる甘い香り。
クラクラする。
このまま流されてしまいたい。
でも……出来ない。
どこを、ではなく俺の『思うままに』触られる事を望んだ真純。
前にも同じ様に言われた事がある。他にも『拓真さんの、好きにして』とか『壊して』とか……
いつも俺に『される』事を望む。
ようやく口に出来るようになったばかりな上、真純は恥ずかしがりだから別におかしいとは思っていなかった。
『厭らしく、なんて……そんなはしたない!』
そう言った後、突然幼子のような口調になって取り乱した真純。気付いた時の様子からするとそれを覚えてないだろう。
思い当たるとしたら真純の姉と従兄の件で。真純の養父母が姿を消した二人を説明するのに悠さんを『厭らしい』『はしたない』と評し、悪し様に言われたとしか思えない。『気にかけてくれた』と話していた壮助さんの話とは大きく食い違うが、その方が真純が取り乱した事や記憶が曖昧な事に説明がつく。
確証はない。
でも……
真純に刻まれた傷は、事件だけ、じゃなかった...
真純は胸元どころか全身を朱に染めて震えてる。
立ち上がってくる甘い香り。
クラクラする。
このまま流されてしまいたい。
でも……出来ない。
どこを、ではなく俺の『思うままに』触られる事を望んだ真純。
前にも同じ様に言われた事がある。他にも『拓真さんの、好きにして』とか『壊して』とか……
いつも俺に『される』事を望む。
ようやく口に出来るようになったばかりな上、真純は恥ずかしがりだから別におかしいとは思っていなかった。
『厭らしく、なんて……そんなはしたない!』
そう言った後、突然幼子のような口調になって取り乱した真純。気付いた時の様子からするとそれを覚えてないだろう。
思い当たるとしたら真純の姉と従兄の件で。真純の養父母が姿を消した二人を説明するのに悠さんを『厭らしい』『はしたない』と評し、悪し様に言われたとしか思えない。『気にかけてくれた』と話していた壮助さんの話とは大きく食い違うが、その方が真純が取り乱した事や記憶が曖昧な事に説明がつく。
確証はない。
でも……
真純に刻まれた傷は、事件だけ、じゃなかった...