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甘く、深く、繋がって
第32章 溶け合う身体(前)
耳を軽く弄ると震える身体。
「んやっ……くすぐった、い」
ピクンピクンと肩が跳ねる。
「擽ったいの?」
聞いておきながら答えを待たずにまた深く口づけて。
「ん……くすぐっ、た……ぁっ、ん」
合間に応えようとする真純の言葉を封じ込めた。
飲み切れずに口の端から溢れた唾液を舌で拭う。そのまま反対の耳に口付け、小さな窪みに舌を差し込み
「ひぁんっ!」
ギュッと握られた繋いだままの左手。
わざと水音をたてながらゆっくり耳孔をねぶると
「ぁん……ぁっ、やっ!」
身体を震わせながら、堪えきれずに啼き声を上げる。羞恥から益々朱に染まる真純が
「可愛い」
可愛くて、堪らない。
執拗に両方の耳を責め、甘いその声を堪能する。

耳から首筋、鎖骨へとキスで伝い、胸元に辿り着いた。その丸く柔らかな丘に啄むように何度も口付けて。真純の左腕が俺の頭に巻き付いてくる。
「は、ぁ……た、くま……さん……」
そのまま抱き締められて口角が上がった。
「真純」
名前を呼んで心臓の真上を強く吸い上げる。
「ん、んっ!」
紅く刻まれた所有の印。
その痕をなぞって舐め上げると俺を抱く真純が小さく戦慄いた。
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