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五十嵐さくらの憂鬱。
第10章 …10
「あいつ、余計なこと言いやがって…!」

夏月の制止がなければ
確実に真綾を殴っていた。
いや、殴り飛ばしていた。

樹は、さくらがいた方の廊下を駆け出す。

「どこだ、さくら」

キョロキョロと見回して
やっとそれらしき人物を発見した。
後ろから近づくと、さくらだと確信する。

「さくら!」

久しぶりの樹の肉声に驚いて
さくらが肩を震わせて振り返る。

さくらにああ言われてから、
ここのところ、完全に連絡は途絶えていた。
樹は呼び出すこともせず
さくらからはもちろん音沙汰ない。

会わない間に泣いたのだろう。
目の周りが若干赤く腫れぼったい。
唇まですこし腫れているように見えた。

「さくら、待て」

逃げようとするさくらを
樹の手ががっつりとつかんだ。

「離して、くださいっ!」
「嫌に決まってるだろ。話をきけ!」

いやがるさくらを引っ張って
ここでは埒が明かないと考えた樹は
近くにあったコピー室にさくらを押し込み
自分も後から入る。

紙とインクの匂いが染み付く部屋の奥
印刷準備室へと嫌がるさくらを連れ込んだ。

「ちょっと、離して! 離してください!」
「落ち着け、さくら。話がある!」

なお嫌がるさくらを無理やり抱え込み抱きしめると
壁に押し付けてキスをする。

「やっ…!」

嫌がるが、お構いなしに唇を押しつける。
舌を無理やりねじ込み
さくらの舌を捉えた。
途端にさくらの嫌がる声が甘くなる。

そのままキスを推し進めると
静かな印刷準備室に
キスのリップ音だけが聞こえてくる。

「んっ……」

唾液を流し込むと、
やっとさくらは震えながら抵抗をやめた。
樹の唾液にさくらは敵う術を知らない。
抵抗などするはずもない。
しないように樹がしたし
さくらの身体を抵抗できないようにした。

「落ち着いて、聞くんだ」

もう1度深い口づけをし
唾液を絡ませた舌でさくらの舌と絡まると
やっとさくらは止まった。

「いい子だ…」

さくらは悲痛な目をして樹を見た。

「真綾に何を言われたんだ?」

さくらは真綾という言葉に眉根を寄せた。
ビンゴ、と樹は思う。

「ろくでもないこと、言われただろ?」

さくらは困り果てた顔をする。
その顔はずるい。
がむしゃらにキスしたくなる。
樹はそれを抑えて、額に優しくキスを落とした。
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