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五十嵐さくらの憂鬱。
第10章 …10
「まとわりつくなって、言われたのか?」
核心をついて、さくらが驚きをあらわにする。
涙腺が緩んだか、
目の淵に涙が溜まって来た。
「いい気になるなみたいなことを…言われました…」
樹はさらにさくらの額にキスをする。
「それから?」
「樹先輩のマンションに入り浸るのはやめるように…」
「うん。あとは?」
「あと…彼女でもないのにって…」
それか、と樹は奥歯をかみしめた。
「彼女にしてって言ってあって
回答ももらってるって…」
最後はしりすぼみになって
嗚咽が混じる。
「…セフレなんだからって…っ!」
「もういい、わかった」
樹はさくらをタイトに抱きしめた。
「わ、私…それで怖くなって…」
「うん…」
「彼女だって勝手に思い込んでて…」
「うん…」
「するだけの関係だっだんだ、彼女じゃなかったんだって思ったら悲しすぎて…」
「うん…。だから、俺に言ったんだね、
どう思っているか、自分が何なのか…」
さくらはうなづく。
「ごめんな。俺が、ちゃんと言ってなかったから」
さくらは樹の出す答えが怖くて
身をよじって耳を塞ごうとした。
それを阻止されて
何にも言えなくなる口づけをもらう。
「さくらは、俺の彼女だ」
「え…」
「俺の部屋に来る権利もあるし、いい気になっていいんだ」
ごめんな、と、またもや強く強く抱きしめられる。
「でも、彼女にしてほしいっていうのに回答もしてるって…」
それに樹はため息を吐く。
「回答はしてあるよ」
「……」
でも、と樹が付け加える。
「気が向いて、俺が大切にしたいって思えるようになったらなって」
「……」
「真綾は友達だよ。友達というよりかは
俺のステータスに寄ってくるミーハーな人間の1部だ。
大切にしたいとは微塵も思わない」
さくらの耳のそばで
樹のくぐもった低い声が囁く。
「俺が今、1番大切にしてるのはさくら。お前だよ」
さくらの目からまたもや涙が出てきた。
「お前以外欲しくないんだ。大切な彼女だよ。
彼女になってくれたと思っていたし、大切にしてるつもりだった。
だから……やるだけって思ってないかって言われた時はショックで…」
その後は樹の方が言葉が続かなくなり
さくらを抱きしめる腕に力がこもった。
「ごめんなさい…」
さくらのつぶやきに
いいんだ、と樹は小さく答える。
核心をついて、さくらが驚きをあらわにする。
涙腺が緩んだか、
目の淵に涙が溜まって来た。
「いい気になるなみたいなことを…言われました…」
樹はさらにさくらの額にキスをする。
「それから?」
「樹先輩のマンションに入り浸るのはやめるように…」
「うん。あとは?」
「あと…彼女でもないのにって…」
それか、と樹は奥歯をかみしめた。
「彼女にしてって言ってあって
回答ももらってるって…」
最後はしりすぼみになって
嗚咽が混じる。
「…セフレなんだからって…っ!」
「もういい、わかった」
樹はさくらをタイトに抱きしめた。
「わ、私…それで怖くなって…」
「うん…」
「彼女だって勝手に思い込んでて…」
「うん…」
「するだけの関係だっだんだ、彼女じゃなかったんだって思ったら悲しすぎて…」
「うん…。だから、俺に言ったんだね、
どう思っているか、自分が何なのか…」
さくらはうなづく。
「ごめんな。俺が、ちゃんと言ってなかったから」
さくらは樹の出す答えが怖くて
身をよじって耳を塞ごうとした。
それを阻止されて
何にも言えなくなる口づけをもらう。
「さくらは、俺の彼女だ」
「え…」
「俺の部屋に来る権利もあるし、いい気になっていいんだ」
ごめんな、と、またもや強く強く抱きしめられる。
「でも、彼女にしてほしいっていうのに回答もしてるって…」
それに樹はため息を吐く。
「回答はしてあるよ」
「……」
でも、と樹が付け加える。
「気が向いて、俺が大切にしたいって思えるようになったらなって」
「……」
「真綾は友達だよ。友達というよりかは
俺のステータスに寄ってくるミーハーな人間の1部だ。
大切にしたいとは微塵も思わない」
さくらの耳のそばで
樹のくぐもった低い声が囁く。
「俺が今、1番大切にしてるのはさくら。お前だよ」
さくらの目からまたもや涙が出てきた。
「お前以外欲しくないんだ。大切な彼女だよ。
彼女になってくれたと思っていたし、大切にしてるつもりだった。
だから……やるだけって思ってないかって言われた時はショックで…」
その後は樹の方が言葉が続かなくなり
さくらを抱きしめる腕に力がこもった。
「ごめんなさい…」
さくらのつぶやきに
いいんだ、と樹は小さく答える。