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第10章 …10

樹は濡れる蜜壺に指を抜き差しし始めた。
さくらはその気持ちよさに背中がゾクゾクする。
指がさくらの快楽の中心に触れて
そのままぐ、と押し込まれる。

尿意にも似た感覚の後に
身体中に広まる疼きが
快楽となって吐息が漏れた。

「さくら、挿れたい…」

樹がいつになく苦しそうに呟いた。

「え、ここで、ですか？」
「うん」

樹はさくらからいったん指を抜くと
キスをしながらベルトを緩めた。

「ちょ…でも、待って…」
「待てない」

挿れてくれるのは嬉しい。

ーーーでも、ここで！？ーーー

「誰かに見られちゃいます」
「こないよ、こっちは」

逃げ腰になったさくらの腰を掴み
樹はすでに隆起したそれを
さくらの秘部に押し当てて
さくらのぬめりを広げる。

肉芽を樹のモノで擦られると
思わずびくりと身体が反応する。

「ビショビショだよ。こんなに垂らしてたらダメだろ…蓋、ちゃんとしないと」

意地悪で、でも苦しげで、色っぽい樹の眼と視線が合った瞬間
さくらの中に樹がはいってきた。

「やっ……ぁぁっ…だめぇ…」

声が出てしまい、
とっさにさくらは自分の両手で
口元を抑える。
その間にも、樹のソレが入ってきて
挿れられる気持ちよさに
頭がおかしくなりそうになる。

「さくらの中、すごい」

全部入るまでにはたっぷり時間がかかった。
抜きさししながら
さくらの様子を見ながら
樹はゆっくり挿れてくれる。

途中であまりにも気持ちが良くて
イきそうになると
まだだよ、と抜かれて焦らされる。

すっぽり中まで入ると
かなり奥の方まで当たる。
樹がず、と抜き
ぐ、と押しこむ。

「……っん…ふっ…ぅっ…んっ…んっ…」

初めは徐々に
だんだんとリズミカルに
そのうちに肌を打ち付け合う音が聞こえるほどに。

さくらがイきそうになると動きを止め
ちょっと焦らしてはまた動き始める。
卑猥な水音が響き
さくらは自分の身体がコントロールできない。

「俺の首に抱きついて」

言われて抱きつくと
さらに樹は深く入り込み
さくらの奥を欲望の塊で焦らせた。

ガチャ、と印刷室に人が入ってくる音がしたのはその時だ。
楽しそうな話し声と
印刷を始めるコピー機の音。

「や、人が…」
「黙ってればバレない」

そう言って樹はさくらを壁に押しつけて
腰を打ち付けた。