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五十嵐さくらの憂鬱。
第12章 …12
「あ、夏月」

修が目の前に座る人影に顔を上げる?

「あらまーおさむちゃん、元気ー?」
「樹と会った?」

夏月のお調子を無視して
修はまた本に目を落とす。

「会ったよ」
「またお前、つまみ食いしただろ、樹の女」
「うん」
「で?」

夏月はカバンから
キャップを取り出して目深にかぶって机に突っ伏す。

「樹が初めて真剣なの見たよ」
「そうか」

夏月はそのままニコニコしながら眠りにつき
修も柔らかな微笑みをこぼして、本へと戻った。


樹がやたらと女の子を泣かせるようになったのは
中学の時からだ。
小学校時からずっと気持ちを伝えきれなかった女の子に
思い切って気持ちを伝えた時
彼女は快諾してくれた。

幸せだと、大切にしようと思っていた矢先に
彼女が3股をしていることが発覚した。
それが原因でその子と別れ
次に付き合ったのは
樹に告白してきた子だった。

その子が、樹をおとしたかどうかをネタに笑いながら
樹の先輩と放課後の教室で淫らな事をしているのを目撃した。

次に告白してきた女の子も
他の中学に彼氏がいた。
女の子に手は出さなかったが
他校の彼氏をボコボコにした。

樹は怒りを忘れるために部活に打ち込み
先輩を抑えて堂々のエースになった。

するともともとの顔立ちもよかったために
もて始めたのだが
女の子に裏切られたトラウマから抜け出せず
やたらと彼女を振り回したり
冷たくしたりして
散々荒れまくった。

高校に行ってもさらにひどく荒れ
夏月にいくら言われても直らず
修にいい加減にしたらと呆れられても
樹の強行は止まらなかった。

樹の女運は壊滅的に悪く
言いよってくる女はすでに彼氏がいたり
樹とつきあっても、樹の冷たさに耐えきれず他に彼氏をつくったりした。
彼氏がわかればボコボコにしたし、
さらに樹のステータスに寄りつく女の子には失望し
意地悪をするようになった。

女なんか、気持ち良くなりさえすれば誰とでも寝ると樹は知り
ステータスや顔で寄ってきては
すぐに足を開くというのを理解した。

五十嵐さくらは違った。
彼氏のために
樹の意地悪に懸命に耐える女がいることに驚き
樹のステータスになびかず
苦しむ姿がやたらと愛らしいと感じた。

彼女にしたいと心の底から思った。
こんなに思ってくれる子に
好きになってもらいたいと
樹は恋愛に初めて積極的になった。
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