この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
五十嵐さくらの憂鬱。
第14章 …14
「詳しいな」
「そりゃ、文学部ですから。
さくらなんか、その辺割と専門じゃなかったっけな…。
私はもう少し時代が下る方が専門なんで」

そうか、と修はうなづいた。

「そう言えば君か、謝ってきたのは」
「君じゃなくて大貫小春です。
この間はなにやら失礼な事言ってしまったから」

無視して悪かった、と修が頭をボリボリかいた。

「気にしてないですよ」

嘘だった。
本当はハゲるかと思うほど悩んでいた。

「ならいいけれど、俺はどうやら
その辺疎いようで」
「疎いとか!疎いに失礼だぞ、修!
お前は鈍いどころの話じゃない!」

思わず夏月が横から茶々を入れた。

「あまり連絡は取らない方ですか?」
「とらないなんてもんじゃない!
こいつはまず携帯を携帯しないから
携帯の意味がない!」
「うるさいよ、夏月。
2人が話してるんだから、黙っとけよ」

樹にたしなめらると
今度は樹に矛先が向けられ
またもや2人はおしゃべりを始めた。

「うるさくてすまないな」

横目で夏月と樹をみて、小春に向き直った。

「いいえ、そんな…。仲が良くていいことです」
「連絡しなかったお詫びに、何か飲み物でもおごるよ」
「いえ。そんなこと…」
「あーじゃあ修ー!
いつものとこ連れてってやんなよ!」

夏月の割り込みの申し出に
修は一瞬頭にはてなが浮かび
その後、ああ、とわかったようだ。

「樹の家の近くに、美味しいカフェがあるから
そこでおごるよ。
明日の午後は空いてる?」

小春は急展開に
口から危うく心臓がべろんと出てきてしまうところだった。
喉まで来ている心臓を押し戻し
ゴクリと唾を飲み込む。

「いや、お詫びなんてそんな!」
「小春ちゃん、いいんだよ!
おごられときな!」
「いや、いいです…。その、自販機の新しく入ったバナナオレおごってください!」

夏月の有無を言わせない割り込みアドバイスを無視して
小春は上ずった声で半ば叫ぶように修に伝える。

「いいよ。買いにいくか」
「嬉しいです、とっても…!!!」

歩き去る2人の姿に
夏月はニヤニヤがとまらず
樹も面白そうに見ていた。

「小春ちゃん、もしかして修のこと好きなのかもね」
「そうかもな」

2人でうなづきあって
ニヤニヤし続けた。
/249ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ