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五十嵐さくらの憂鬱。
第15章 …15
さくらは胸が騒いだ。
こんな格好、修と一緒で、密室で…。
こんな所を見られたらひとたまりもない。

脚を閉じようとすると
修の身体が割り込んできた。
間近に端正な顔がある。
電話越しに、樹の怒った声が聞こえた。

「…なーんもしてないってば。ね?」

そう言って、修はさくらの乳首を強くつねった。

「……っあ!」

電話の向こうの樹が固まるのが分かった。
さくらは泣きそうになる。

「な? 何もしてないよ」
『修…てめぇ…』
「早く来ないと、君のお姫様は、たいへん麗しい格好のまま、図書室を歩かされることになる」

なにやらわめく樹を無視して
修は電話を切った。

「さてと」

修はそういうと、さくらの脚を閉じて、
机に座らせた。
さくらはどうしていいか分からず
なされるがままになる。

「本当に、君たちには感心するよ。
どうして他人のために、そこまでできるんだい?」
「それは…」

そんなの決まっている。

「小春とかいうあの女の子のために君は悩み
樹のために悩んでつけいれられて…。
損な人生だと思わない?」
「思いません!」

さくらはつい食ってかかる言い方をして
自分でも驚いた。

「思うわけないです。
だって、私は…その2人が…すごく大好きだから」

さくらは息を吐く。

「大好きなんです。大切です。
だから、樹先輩や、はるちゃんのためにだったら
少しくらいのことは我慢できます。
それで2人が喜んでくれたら…」
「お人好しを通り越して、本末転倒だな、それじゃ」

さくらは修を見上げた。

「どんだけ、樹が君を大事にしてるか分かるか?
君の写真を1枚送っただけで、
さっきの怒りようだ。
今頃、猛烈な勢いで走ってきてるはずだ」

さくらは樹を思った。

「だから、あまり、彼を悲しませるようなことはしてくれるなよ。
これは、俺からのお願いだ」

修は、やはり相変わらず何を考えているのか分からない。
整った顔は、彫刻かと思うほどだ。

「分かった?」
「……はい…」

よろしい。
教師のように修が眼鏡を持ち上げた。
その仕草が妙に色っぽく感じたのは
さくらの気のせいではないはずだ。

「小春ちゃんだけど…」

突如、小春の名前が出て来て
さくらは一瞬にして現実に戻った。
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