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五十嵐さくらの憂鬱。
第18章 …18
翌朝は、朝というよりは
すでに昼に近い時間だった。

お互いを求め尽くした身体はだるく
起き上がろうとしたが、
そのまま布団に体をポスんと戻した。

毛布からは樹の匂いがする。
隣でスヤスヤと寝ている顔は
やはりどこをどう見てもかっこいい。

じっとさくらが見つめていると
寝返りを打った樹の腕が伸びてきて
さくらを捕まえる。
たくましい腕の中に誘い込まれて
さくらはまた目をつぶった。

昨日のことが夢のように思える。
怖かった出来事は、樹に愛された記憶でかき消され
おぼろげなことしか覚えていない。
思い出したくもなくて
さくらは目をつぶった。

「起きたか?」

低い声がして
目を開けると樹の顔がすぐそばにあった。

「はい。でも、まだ寝ていたい」
「ん。じゃあ、もう少し寝よう」

腕枕されて
樹の足がさくらを絡め取るように覆いかぶさった。
若干身動きがとりづらいが
幸せな気持ちでいっぱいになった。

次に目を起こした時には
すでに隣に樹はいなかった。
ハッとして布団から飛び起きると
キッチンから良い匂いがした。

心臓がばくばくいっていた。
一瞬、樹がいなくなったのかという恐怖と
樹がいるという安堵で
頭がこんがらがった。

何も服を着ていなかったので
仕方なく毛布をかぶったまま
キッチンへと向かう。

みれば、樹が何かを作っていた。

「おはよう、ございます…」

尻すぼみにそう言うと
樹が振り返ってさくらを見るなり困った顔をした。

「おいで。おはよう」

言われたままにさくらが近寄ると
すぐさま腰を持たれて
体を寄せられる。

「まったく、朝からそんな格好で誘ってるのか?
昨日、さんざん乱れておいて、またおねだりしてるの?」

違う、と答えようとした口を塞がれる。
そのまま舌が滑り込んできて
さくらの未だにしびれた脳内が、またもやコントロールを失う。

「トーストに蜂蜜をかけてあげようと思ってたんだ。
食べるだろ?」

それにうなづくと
意地悪な瞳と目があった。
樹は蜂蜜の瓶を取り出すと
そこにスプーンを入れてたっぷりとすくった。

「美味しい蜂蜜なんだ。ちょっと舐めてみる? 口開けて」

開けた口に
蜂蜜を垂らす。
そして、そのまま口の端から胸元にかけて垂らした。
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