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五十嵐さくらの憂鬱。
第4章 …4
「もういいや。萎えた」

光輝はずるり、とさくらの中から
愛液のついたそれを引っこ抜くと
さっさとティッシュで自分だけ綺麗にして
タバコに火を付けた。

「光輝、ごめ…そんなつもりじゃ…」
「もういい」

怒った光輝は冷たい。
すぐに1本吸い終わると
もう1本に火を付けた。

「光輝…」
「もういいから…帰れよ」

とりあってくれず、さくらはぐずぐずと服を着た。
そんなさくらには目もくれず
光輝はゲームの画面に集中している。

「光輝、ごめんね」

玄関でそう言うが、
光輝は振り向きもせず
ゲームに集中していた。

さくらは泣きそうなのをこらえて
そっと暗い外へと出た。

ーーー光輝ーーー

あんなに、怒らなくてもいいのに。
なんで。

ーーー悲しいーーー

そう思った瞬間、ポロポロと涙がでてきた。
そういえば、2週間前も泣いていた。
なんでうまくいかないんだろう。
もっとうまい言葉でなんで伝えられなんだろう。

早足に歩いていると
ガードレールに腰掛けた人物が
目の端に映った。

「……なんで……」
「こんばんは」

優しい笑みと落ち着く低い声。
樹がガードレールに座って
さくらに微笑みかけた。

「なんでって。結果が早く知りたくてね。
その様子だと…残念だったかな?」

樹はさくらに近寄り
頭をぽんぽんと撫でる。

「泣き顔も可愛いね」

さくらの涙を樹の大きな手が拭う。
その温かさに目からさらに大きな涙の粒が溢れてきた。

「さくら、泣かないで?
それとも、俺とまだ一緒に居られるっていう
嬉し泣きの方?」
「ちが…っ…」

樹はふふっと笑うと
ふいにぎゅっと抱きしめた。

「やだ。せんぱ…」

優しくされたら、心が動いてしまう。
たぶん、ずいぶん前から待っていたのだろう。
春の夜気に、樹の服は冷え切っていた。

「また、ココア飲みに行く?
それとも、部屋に帰る?」

さくらは帰る、と呟く。

「送っていくよ。危ないからね」

ぐずるさくらを引き剥がすと
唇を、優しくおおった。
離して、もう一度。
柔らかく優しい温もりが伝わる。

「しょっぱい」

最後にさくらの唇をぺろりと舐めて
樹はいたずらっぽそうに笑った。
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