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五十嵐さくらの憂鬱。
第1章 …1
翌日、朝早くから何度も校内を行き来しては
イヤリング探しに勤しんでいる。
半分泣きそうになりながら
なかなか見つからないもどかしさでいっぱいになり
事務局の落し物入れに期待をよせた。
ーーーまだ、あそこ見てないーーー
さくらは部活棟の方を見た。
昨日の現場が、生々しく思い出される。
見たいなら見ろよといわんばかりの
ニヤリと笑った挑発的な瞳。
太ももを滑らかにすべる
有無を言わせない長い指。
ーーーあんな風に触られたいーーー
そう思ってしまい、朝からとんでもないと
頭を振って雑念を飛ばす。
ーーー一探してみるかーーー
あまり乗り気ではなかったが
大切なイヤリングのため、ひとけの無い部活棟へ、とぼとぼとむかった。
部活棟につくと、昨日のやりとりがさらに克明に思い出され
絡まり合う男女の映像をむやみやたらと脳内リピートしてしまう。
自分の機能の悪い脳にうんざりしながらも
階段を登って部室へと向かう。
イヤリングのいの字も見当たらず
ため息を吐きながらも
まだどこかにあるという希望を捨てられず
ポストから鍵を出して部室を開けた。
鞄を落とした当たりをウロウロし、
小さいから、どこかへ飛ばしてしまったのかもと思いながら、
壁際の床を見ていたさくらの視界に、
スニーカーが入り込んだ。
「……え?」
幽霊かもと思った瞬間。
後ろから口を塞がれ、そのまま壁に押しつけられた。
真っ白になった頭は回転せず、
壁だけが見える視界からは何の情報も得られない。
口を動かそうとすると、
よりいっそう強く塞がれる。
パニックになってもがくと、
後ろからさくらを押さえつけている人物が
密着度を増してきた。
ーーーちょ、なに!?ーーー
心臓が送り出す血液の流れる音が
耳の内側から聞こえて騒がしい。
ーーーどうしよう、誰!?ーーー
くぐもった声を出すと、塞いでいたのを緩めてきた。
しかし次の瞬間。
素早く伸びた長い指に髪を絡め取られ
あらわになった耳を舐められた。
びくりと動くさくらの反応に満足したのか
てろ、ともう1度熱い舌が耳をなぞる。
またもや反応するさくらをからかうように
舌は耳の裏側をつ、と舐め、
首筋と耳の境目に軽くキスをする。
「……ん、やだ…!」
緩められた口を塞ぐ手から出た自分の声は
熱く甘く、
嫌だという意思の1ミリも伝わらなかった。
イヤリング探しに勤しんでいる。
半分泣きそうになりながら
なかなか見つからないもどかしさでいっぱいになり
事務局の落し物入れに期待をよせた。
ーーーまだ、あそこ見てないーーー
さくらは部活棟の方を見た。
昨日の現場が、生々しく思い出される。
見たいなら見ろよといわんばかりの
ニヤリと笑った挑発的な瞳。
太ももを滑らかにすべる
有無を言わせない長い指。
ーーーあんな風に触られたいーーー
そう思ってしまい、朝からとんでもないと
頭を振って雑念を飛ばす。
ーーー一探してみるかーーー
あまり乗り気ではなかったが
大切なイヤリングのため、ひとけの無い部活棟へ、とぼとぼとむかった。
部活棟につくと、昨日のやりとりがさらに克明に思い出され
絡まり合う男女の映像をむやみやたらと脳内リピートしてしまう。
自分の機能の悪い脳にうんざりしながらも
階段を登って部室へと向かう。
イヤリングのいの字も見当たらず
ため息を吐きながらも
まだどこかにあるという希望を捨てられず
ポストから鍵を出して部室を開けた。
鞄を落とした当たりをウロウロし、
小さいから、どこかへ飛ばしてしまったのかもと思いながら、
壁際の床を見ていたさくらの視界に、
スニーカーが入り込んだ。
「……え?」
幽霊かもと思った瞬間。
後ろから口を塞がれ、そのまま壁に押しつけられた。
真っ白になった頭は回転せず、
壁だけが見える視界からは何の情報も得られない。
口を動かそうとすると、
よりいっそう強く塞がれる。
パニックになってもがくと、
後ろからさくらを押さえつけている人物が
密着度を増してきた。
ーーーちょ、なに!?ーーー
心臓が送り出す血液の流れる音が
耳の内側から聞こえて騒がしい。
ーーーどうしよう、誰!?ーーー
くぐもった声を出すと、塞いでいたのを緩めてきた。
しかし次の瞬間。
素早く伸びた長い指に髪を絡め取られ
あらわになった耳を舐められた。
びくりと動くさくらの反応に満足したのか
てろ、ともう1度熱い舌が耳をなぞる。
またもや反応するさくらをからかうように
舌は耳の裏側をつ、と舐め、
首筋と耳の境目に軽くキスをする。
「……ん、やだ…!」
緩められた口を塞ぐ手から出た自分の声は
熱く甘く、
嫌だという意思の1ミリも伝わらなかった。