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五十嵐さくらの憂鬱。
第1章 …1
「探し物、これでしょ?」

やけに大人っぽい低い声がして、
突如、目の前に、長い指が現れた。
その指にはまぎれもなくさくらのイヤリングが。

「そうです」

それを掴もうとすると、
かわされて高い位置に持って行かれる。
取ろうと手を伸ばすが、
さらに高い位置に腕が伸ばされ、
さくらの指は何回も空を掻く。

「返して下さいっ!」

その声と同時にイヤリングを持つ指が
さくらの背中の方に消えた。
目でイヤリングを追いながら慌てて振り返る。

瞬きをすると。
伸ばした両手首をつかまれたと気づいた時には
後ろの壁に押しつけられていた。
耳と首筋の間に男が容赦なくキスをし
悲鳴を飲み込むさくらの耳を甘噛みした。

「やだ…やめて…!」

訴えを無視して、男の舌が耳を舐め回し
舐めつくした頃に、
今度は首筋に優しくキスをする。

「………んっ」

思わず声が漏れ出ると
鎖骨から首筋を一気に舐め上げられた。
その瞬間、さくらの腰が抜けて
がくんと膝が落ちた。

虫の標本の様に
両手首を男に引っ張られたまま
部室の壁に押さえつけられて立てない。

「感じちゃった?」

低く、甘い響きをした声が頭上からする。
昨日、部室で卑猥な行為をしていた男が
面白いおもちゃを見つけた様な表情で見ていた。
その注がれる視線に
釘付けとなって動けなくなる。

「腰が抜けちゃった?
もう濡れちゃってるんじゃないの?」

獲物を見つけた様な瞳に見つめられれば
心まで覗かれそうでさくらは怖くなった。

首を傾げて見せると
腕の引っ張りを緩める。
身体が重力に逆らえず
床にヘナヘナと座り込むと、
男も床に座り込んであぐらをかいた。

「…大丈夫?」

睨み返そうにも、怖くてそれもできずに
小さく首を縦に振った。

「君、このイヤリング落としていったろ?」

さくらの手を今度は優しく握ると、
イヤリングを手のひらに乗せて、ぎゅっと握らせる。

「大切なものは、手放しちゃダメだよ?」

いきなりの優しい響きに驚き、

素直にうなづいて、
ありがとうございますとお礼を言う。

「お礼はいいよ。だって、君に邪魔されて結局、
昨日は楽しめなかったんだ」

楽しそうな声音に彼を見て、後悔した。

「だから、かわりに君で楽しませて?」
「……え?」

そう言うや否や、
彼の残酷な唇がさくらの耳に吸いついた。
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