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五十嵐さくらの憂鬱。
第6章 …6
「もぉ…集中できない…」

ーーーこんなことーーー

日の当たらない教室はじっとりとしていて
ざわめく人の声に、さくらは怯えた。
下着をつけていないことが
これほど気が散ることだとは思わなかった。

近くに男子生徒が座らないように避け
なるべくはじっこに逃げるように座る。

したばかり見ていて
人とぶつかれば慌てたように胸元を抑えた。

「あ、ご、こめんなさい」
「あ、さーせんー!」

ぶつかった男子はさくらを気にも止めず去っていく。
それだけで、さくらはほっと落ち着いた。

「あっれー、さくら!」

馬鹿でかい声でやってきたのは
翔平だった。
途端、さくらの警鐘が鳴り始める。
鞄を持つと立ち上がり、
席を移動すべく足早に翔平から距離を保った。

「ちょ、逃げるなよ!」
「こないで、ばか!」
「な!バカはいいすぎだろ!」

と言い合っているうちに翔平に詰め寄られ
さくらは壁に身を寄せた。

「逃げることないだろうが」
「だって。急に大声で追いかけられたら逃げたくなるじゃん」
「なんだよ、こっちは心配してんのに」

さくらはふいに翔平を見た。
確かに、心配している顔をしていた。

「なにに、心配してるの?」
「バカ!あの男だよ!」
「…樹先輩のこと?」

翔平は首をこくこくと縦に振る。

「なんか、嫌なことされてないか?」

ぎゅ、と鞄をつかむ手に力が入る。
それを翔平は見逃さない。

「大丈夫だよ、授業始まるから…」

踵を返すさくらの肩を、翔平がつかんだ。

「なあ、おい!」
「大丈夫だってば!」

その時さくらのセーターが伸び、
真っ赤な痕が翔平の目に留まった。
つかんだ手からは
ブラの紐の感覚もない。

「さくら…?」

翔平に軽くてを振って何もなさそうにし
さくらは授業に逃げていった。

絶対何か隠している。
そう翔平は確信したのだが
1日、さくらを探しても見当たらなかった。

散々に探しまくったのだが見つからず
結局、諦めてサークルへと向かった。

さくらからの返信は
『大丈夫』
『心配しすぎ』
『何もないから』
しかなく、それで納得しかかったのだが
あの赤い痕がどうしても、気になった。

「あんなん、絶対コテじゃないだろうが」

悔しいが何もできず
翔平はさくらの言葉を信じるしかなかった。
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