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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第6章 修道女
顔と手しか外には出ていなかったが、それでも彼女の魅力は損なわれていない。
いや、むしろ、禁欲的な装束が、彼女の高潔さと危うさを引き立てている。
化粧もしていないのに赤い唇から、ルイーズはか細いため息を吐いた。
大きな青い目には涙が溜まっている。
ルイーズが思い悩んでいるのは、弟のラウルのことだった。
ラウルは近くにある男子修道院の修道士だったが、力仕事が必要な時の男手として、時折ルイーズのいる女子修道院に派遣されている。
今頃、客人用の別棟で眠っていることだろう。
弟は働き者だったし、ルイーズと似て華奢な印象が強く、変な男臭さのないところが、修道女たちには好ましく受け取られていた。
いや、むしろ、禁欲的な装束が、彼女の高潔さと危うさを引き立てている。
化粧もしていないのに赤い唇から、ルイーズはか細いため息を吐いた。
大きな青い目には涙が溜まっている。
ルイーズが思い悩んでいるのは、弟のラウルのことだった。
ラウルは近くにある男子修道院の修道士だったが、力仕事が必要な時の男手として、時折ルイーズのいる女子修道院に派遣されている。
今頃、客人用の別棟で眠っていることだろう。
弟は働き者だったし、ルイーズと似て華奢な印象が強く、変な男臭さのないところが、修道女たちには好ましく受け取られていた。