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第2章 母と息子

「ま、待ってください！　ハンナさんは元気になったんですか？」

ドアの前で仁王立ちしている男に、アルベリオは必死で追いすがる。

始まりはこの男の妻が寝込んだことだった。

アルベリオは薬売りをしている。
この地域には都会にいるような医者はいない。
必然的に、煎じ薬や湿布薬を扱う薬売りが、簡単な医者の真似事をせざるをえなくなる。

数日前にハンナが倒れた時、彼女の子供たちに請われてアルベリオはこの家を訪れた。
彼女は高熱を出して起き上がれない状態だった。