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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第2章 母と息子
アルベリオは町へ医者を呼びに行った方が良いのではないかと提案したが、ハンナはそんなお金はないと言った。
そして、彼女はアルベリオにねだった。
もう一度、必ずうちへ来て欲しいと。
男はアルベリオを鼻で笑った。
「ハンナ? ハンナならもうすっかり元気さ! 頬を染めて愛しい薬売りがやってくるのを待ってるよ! 亭主の俺のことなんてすっかり忘れてな!」
「そ、そんなつもりじゃ――!」
反論しようとして、アルベリオは言葉に詰まった。