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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
わたしが、彼のいる職場に来て
3ヶ月が経った。


今年最後の勤務日。
定時が来て、納会を行った。


会議室に、各部署の人たちが
どんどんと集まってきた。


松本課長にふいに話しかけられた。
隣には、小野木さんが立っていた。


「こいつのこと、
おっちゃんって呼んでるんだって。」


松本課長が、右手の親指を立てて、
小野木さんを指差した。


わたしは、笑いながら


「はい、呼んでますよ。
ね、おっちゃん。」


小野木さんを見た。


「ね、ひどいでしょ?」


「そっか~(笑)」


と、松本課長はお腹を抱えて笑っていた。


支店長の咳払いが、マイクを通して
聞こえてきた。
どうやら、納会が始まるようだ。

わたしは、部屋のはじっこに立っていた。
派遣社員は、
こういう時は、目立たないに限る。


納会もしばらくすると、
仕事がある人は、一人……二人……と
オフィスに戻っていく。


わたしも、そろそろ帰ろうかな。


誰にも気づかれないように会議室を出た。


オフィスに戻ると
小野木さんと何人かの営業の方が
戻ってきていた。


小野木さんは、納会で飲んだビールのせいか
頬が赤くなっていた。


オフィスによくある
コマつきの回転椅子に
大きく足を広げて座っていた。


わたしを見るなり、
クルッとわたしに向きをかえ、


「ほら、おっちゃんのここにおいで。」


と、笑顔で両手を広げていた。


酔っぱらってる…………?


ホントに、あなたの胸に、
飛び込んでいいんですか?


「残念ですが、ノーマルじゃないんで。
縛られないと無理なんです~。」


と、あっかんべをしそうな勢いで
彼に言ってみた。


「そうなんだ。」


彼は、ニコニコしていた。


「もう、帰りますね。
よいお年を。」


わたしは、年末の挨拶をした。


「来年もよろしくね。」


彼は、ニコニコしてそう言った。


マフラーをぐるぐる巻きにして
並木道とビルの隙間から見える
夕闇を見つめていた。


彼の笑顔ばかり、浮かんだ……。


どうして、こんなに好きになったんだろう。
減らず口を叩きあったり、笑いあったり。
どんどん、距離が縮まってく……。
つらい……。
好きになっちゃ、ダメな人なのに……。


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