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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
焼骨している間に、精進落としを行なった。


わたしは、自宅に戻る時間を考えると、


骨上げまでは出られなかった。


母が


「おばあちゃんからの最後のごちそうだから。」


と、声をかけてきた。


ぼんやりと…


写真におさめればよかったな……。


と、思った。


みんなが骨上げに向かう時に別れた。


「お盆に帰ってくるから。」


そう一言だけ伝えた。


食事をしたところで、着替えをさせてもらうことができた。


喪服から、ワンピースに着替えた。


一瞬にして、日常に戻った気がした。


ひどく長い夢を見ていたような、


そんな気持ちになった。


タクシーに乗り、駅に向かう。


自分の気持ちが、落ち着かなかった。


ふと、


骨になった祖母を見なくて……


わたしは、


祖母の死を……


ちゃんと受け止められたのだろうか。


と、思った。


いや…大丈夫だ。


焼却炉に入る瞬間が、


鮮やかによみがえった。


もう、祖母は……いない。


どんなに話をしたくても。


どんなに会いたいと望んでも。


大切な人を失って、


心が……傷だらけだ。


まだ、


彼との傷も癒えていないのに。


わたしは……どうすればいいんだろう。


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