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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
病院へ着いた。


病院は、とても混んでいた。


最初、座る席すらなかったが、


ようやく座ることができた。


普段は、雑誌を読まないのだけれど、


美容院と病院へ来た時は、時々読んでいた。


最近の芸能事情には疎いので、


へえ~とか、そうなのか…と思いながら読んでいた。


12時を回り、受付には


「午前の診察は終了いたしました。」


の札が置かれた。


あと2人終われば、わたしの順番が


回ってきそうな気配だった。


スマホが震えた。


誰からの着信だろう……。


名前の表示がなく、ケータイの番号だけだったが
誰だかすぐにわかった。


そらんじてしまえる番号……彼のものだった。


わたしは、待合室を出て、玄関へ行った。


「……もしもし。」


小声で返事をした。


「久しぶり。」


相変わらずの彼の声……。


心が……縮こまった。


「咳……大丈夫ですか?」


「大丈夫…コホッ、


 はは、たまにこうして出るけど。


 大丈夫。


 そっちこと大丈夫なの。」


「ええ…まあ。


 祖母、余命が秋から冬だったんですけど、


 思ったより早くて…。


 もう85歳くらいだったし……。」


「俺くらいの年齢だと、もう身内、亡くなってるからな。」


話しかけようとした時、


「高村さ~ん。」


先生が私の名を呼んでいた……。


「ゴメンなさい。今、病院なんです。」


「そっか……。」


「電話いただいたのに、すみません。」


わたしは早口で伝えた。


もっと、話したかった……。


「高村さ~~ん。」


先生の声が大きくなった。


「じゃあ、またな。」


彼がそう言った。


「じゃあ……。」


わたしもつられてそう言った。


スマホをバッグに入れ、慌てて待合室に戻った。


「すみません……。」


わたしは、ペコペコと頭を下げて、


先生に促され、診察室に入った。


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