この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~

病院へ着いた。
病院は、とても混んでいた。
最初、座る席すらなかったが、
ようやく座ることができた。
普段は、雑誌を読まないのだけれど、
美容院と病院へ来た時は、時々読んでいた。
最近の芸能事情には疎いので、
へえ~とか、そうなのか…と思いながら読んでいた。
12時を回り、受付には
「午前の診察は終了いたしました。」
の札が置かれた。
あと2人終われば、わたしの順番が
回ってきそうな気配だった。
スマホが震えた。
誰からの着信だろう……。
名前の表示がなく、ケータイの番号だけだったが
誰だかすぐにわかった。
そらんじてしまえる番号……彼のものだった。
わたしは、待合室を出て、玄関へ行った。
「……もしもし。」
小声で返事をした。
「久しぶり。」
相変わらずの彼の声……。
心が……縮こまった。
「咳……大丈夫ですか?」
「大丈夫…コホッ、
はは、たまにこうして出るけど。
大丈夫。
そっちこと大丈夫なの。」
「ええ…まあ。
祖母、余命が秋から冬だったんですけど、
思ったより早くて…。
もう85歳くらいだったし……。」
「俺くらいの年齢だと、もう身内、亡くなってるからな。」
話しかけようとした時、
「高村さ~ん。」
先生が私の名を呼んでいた……。
「ゴメンなさい。今、病院なんです。」
「そっか……。」
「電話いただいたのに、すみません。」
わたしは早口で伝えた。
もっと、話したかった……。
「高村さ~~ん。」
先生の声が大きくなった。
「じゃあ、またな。」
彼がそう言った。
「じゃあ……。」
わたしもつられてそう言った。
スマホをバッグに入れ、慌てて待合室に戻った。
「すみません……。」
わたしは、ペコペコと頭を下げて、
先生に促され、診察室に入った。
病院は、とても混んでいた。
最初、座る席すらなかったが、
ようやく座ることができた。
普段は、雑誌を読まないのだけれど、
美容院と病院へ来た時は、時々読んでいた。
最近の芸能事情には疎いので、
へえ~とか、そうなのか…と思いながら読んでいた。
12時を回り、受付には
「午前の診察は終了いたしました。」
の札が置かれた。
あと2人終われば、わたしの順番が
回ってきそうな気配だった。
スマホが震えた。
誰からの着信だろう……。
名前の表示がなく、ケータイの番号だけだったが
誰だかすぐにわかった。
そらんじてしまえる番号……彼のものだった。
わたしは、待合室を出て、玄関へ行った。
「……もしもし。」
小声で返事をした。
「久しぶり。」
相変わらずの彼の声……。
心が……縮こまった。
「咳……大丈夫ですか?」
「大丈夫…コホッ、
はは、たまにこうして出るけど。
大丈夫。
そっちこと大丈夫なの。」
「ええ…まあ。
祖母、余命が秋から冬だったんですけど、
思ったより早くて…。
もう85歳くらいだったし……。」
「俺くらいの年齢だと、もう身内、亡くなってるからな。」
話しかけようとした時、
「高村さ~ん。」
先生が私の名を呼んでいた……。
「ゴメンなさい。今、病院なんです。」
「そっか……。」
「電話いただいたのに、すみません。」
わたしは早口で伝えた。
もっと、話したかった……。
「高村さ~~ん。」
先生の声が大きくなった。
「じゃあ、またな。」
彼がそう言った。
「じゃあ……。」
わたしもつられてそう言った。
スマホをバッグに入れ、慌てて待合室に戻った。
「すみません……。」
わたしは、ペコペコと頭を下げて、
先生に促され、診察室に入った。

