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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
さらに、慎二さんから、メールがきた。


もうすぐ19時……今日、最後のメールかな…。


そう思いながら、読み始めた。


 『ななさん、私たちは、今、メールでいろいろお話をしているところです。 
 ななさんも聞きたくて、とても気になっていたんでしょう?
 ななさん自身のことを書きながら、質問があれば、どうぞ質問して下さい。


 私は、彼女の表の事情は全く知りません。
 彼女が、言わない限り聞きません。


 彼女は、最初、私に言いました。
 知性、教養、精神力、全てに圧倒されました。
 敵わない…。と、初めて感じました。
 だから、奴隷にして下さい……と。


 私は、すぐにはできない。
 最初は、見習いから始めて、
 私がいいと思ったら改めて奴隷にしよう。と…。


 慎二』


慎二さんは、わたしが聞きたいと思っている?


わたし自身はどうなんだろう……。


聞きたいとかそういうことじゃなくて……


やっぱり、踏み込んではいけないような気がしている。


ご主人様と奴隷…二人の世界に第三者が。


たとえ、終わっている関係だったとしても……だ。


逆に考えれば。


自分自身が奴隷となった時。


ご主人様の口から第三者に、
わたしの存在を語られたくないのだと思う。


……秘密にしてもらいたいのだと思う。


知性、教養、精神力……全てに圧倒される?


わたしは、ご主人様にそういう感情を抱くことが
できるのだろうか……。


漠然としすぎていて……わからない。


ご主人様は、そういう存在になるということ?


経験のないことを想像することが、
こんなにもまだるっこしいとは思わなかった。


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